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物流ニュース
引越繁忙期 高騰する引越料金、閑散期の数倍に
2017年3月17日
就職や転勤、進学などが重なる3月、4月はもちろん引っ越しの繁忙期だ。人も車両も足りず、関係事業者は目の回るような忙しさだ。引越料金は閑散期に比べ、数倍になることも珍しくない。国交省貨物課でも「運賃表に、その旨を記載していれば何の問題もない」としている。しかし、消費者の立場からすれば、「同じ引っ越しなのに、季節が違うだけで料金が何倍にも上がるのは納得いかない」とはならないのだろうか。引越料金について関係者に話を聞いた。
数年前に大阪から東京へ引っ越したAさん。料金は大手引越専業X社で14万円だった。Aさんは結婚しているものの、子どもはいない。
Aさんが再度、東京から大阪に引っ越すこととなった。時期は2月で、「繁忙期にはまだ間がある」と思っていたAさんだったが、指定日時にX社は「クルマがない」という。次に同じ大手引越専業Y社に依頼すると料金は20万円。「高い」と思ってキャンセルしたAさん。「簡単に決まると思っていたが、なかなか決まらない。2日後、再びY社に依頼すると『料金は30万円です』というので驚いた」という。
引越繁忙期になると高騰する引越料金について、国交省貨物課は「料金表に繁忙期は何割増しと明記していれば問題ない」としている。「通常10万円のところ100万円でも問題ない。受けるか・受けないかは消費者次第」という。消費者にしてみれば家賃が二重になることを避けるため、ギリギリの日程で引っ越しを考えるケースは少なくない。「この日しかない」という消費者は、かなり弱い立場に立たされるが、同貨物課は「関係ない。少なくとも国としては何も決めていない」と説明する。
大阪市消費者センターでは「(繁忙期に)引越料金が高いという相談はほとんどありません」という。「事業者のサービスが悪い、荷物を壊された、来るのが遅い、といった相談は多いが、料金そのもののクレームはない」と担当者は話す。「個人的には2倍や3倍になるのはおかしいと思うが、法律に触れていない以上、何とも言えない。それでも、こちらが悪質と判断すれば、トラック協会に『こういう事業者がいる』と相談させてもらうことになる」という。
しかし、「消費者が納得して料金を支払っているのであれば、問題ないと考えている」と説明する同担当者。「料金の変動は、季節野菜の価格と同じではないか。ただ、あまり引っ越しの経験がない場合、高い・安いがわからないということも考えられないこともない」と話す。
引越料金の相場について、アートコーポレーションは「引越料金はお客様の家財量や移動距離、住まいの立地条件などで変わってくるので、相場を案内することは難しくなっている」(同社HPより)としている。料金差については「繁忙期の3月、4月のほか、月末、金・土・日曜、祝日、大安などには予約が多くなるので、値引きがしづらくなる」(同)としている。
サカイ引越センターでは料金の相場について「時期などによって大きく変わる。大幅な値引きが可能なオフシーズンの平日と、値引きが難しい繁忙期によって料金設定が違う。また、シーズンに関係なく、作業環境や予約状況などによっても変動する」(同)としている。この記事へのコメント
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