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    大型建築物で効率化 どれだけ宅配しやすいか

    2017年7月31日

     
     
     

     EC市場の拡大にともない、宅配業界ではドライバー不足が深刻化している。人材確保が難しいなか、再配達の増加による長時間労働や過剰サービスにともなう負担など、苛酷な労働環境で定着率も良いとはいえない。この問題に宅配大手ではいよいよ、再配達対策や基本料金の値上げに踏み切きるなど、労働環境の改善に動き出している。宅配事業者の多くは、この動きに対して期待を寄せているが、改善する問題はこれだけではない。宅配大手から業務を委託されている下請け事業者のほとんどが、荷物を届けた件数で収入が決まるため、短時間にどれだけ配達できるかが重要となってくる。そのため、効率が悪くなれば悪くなるほど、ドライバーの不満は高くなる。
     関東軽貨物輸送(東京都墨田区)の小川真二社長は「大型のオフィスビルやマンションなどの多くが、物流に対応した設備や造りになっていないため、一つの建物でかなり時間と体力が必要となり、ドライバーの負担が大きい」と話す。
     「利用者が相手の再配達をなくすのは難しいが、大型の建物に荷物の搬入口や専用エレベーターの設置、一か所に宅配ボックスの設置義務化をしてもらうだけでも、かなり効率が良くなり、ドライバーへの負担が減る」という。


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     なでしこTOKYO(同千代田区)の宮内由紀子社長も「大型の建物で事業者がエレベーターを使えなかったり、高級マンションで全館台車の使用が禁止だったりすると、時間のロスだけでなく負担も大きい」と、建物内の物流に考慮してもらいたいと考える。同様の意見を口にする宅配事業者は少なくない。
     同問題への対策としては2016年11月から、国土交通省が中心となって開催した物流を考慮した建築物の設計・運用検討会がまとめた「物流を考慮した建築物の設計・運用について 大規模建築物に係る物流の円滑化の手引き」に期待がかかる。同手引きでは、建築物での、円滑な搬入、荷捌き、館内配送などを図ることで、建築物の利用者の利便性や快適性の向上、搬入される荷物の紛失防止やセキュリティ確保などの効果を期待し、商業施設やオフィスビル、またはこれらの複合ビルを新築する場合や大幅な増改築を行う場合を対象としている。
     国交省は「この手引きは、建築物の開発や設計、管理などに携わる各事業者や建築主をはじめ、物流事業者、地方自治体といった関係者に対して提案するというもので、強制力はない」としているが、「手引きをきっかけに今後、大規模建築物における物流の円滑化を推進するため、関係者に働きかけていく」考えだ。
     物流に考慮した先駆け的な存在である東京オペラシティ(同新宿区)は1996年にオープンした大型建築物で、物流専用の荷捌き場やエレベーター5基を設置。国内外の運送事業者が荷物を搬入した後、東京オペラシティビルデリバリーセンターが館内の配送を行っている。
     地上54階、地下4階建ての館内には、オフィスや店舗など約210のテナントが入居しており、約1万人が働いている。そのため、館内では約5万、25日稼働で一日1500から2000個の荷物が配送されている。
     館内配送を任されている、デリバリーセンターの小林義和センター長は、「建物内の配送も宅配と同じくらい作業は大変」とし、「館内でもサービスの質を下げずに、限られた人数で対応するため、簡略化や効率化を追求していかなければやっていけない」と話す。
     このように、大型の建物では内部での配達も大変な労力が必要となるため、物流に考慮していない建物の場合、宅配事業者のドライバーにかかる負担は計り知れない。再配達の対策も十分に必要だが、配達するドライバー目線での改善も必要だ。

     
     
     
     
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