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物流ニュース
許可証の不携帯にご用心 単純なミスが命取りに
2017年11月13日
車限令の違反者に対し、高速道路料金の大口・多頻度割引を見直す措置に関連し、道路会社との利用契約者となる協同組合の一部では「60点(組合員が割引停止1か月)の半分程度に達した時点で脱退してもらう」とする内部規定を設けるケースも出てきた。2年間に3回の警告書が累積すれば組合全体が割引停止となるが、警告を受けた組合員(運送会社)が割引停止の期間中に10点以上の車限令違反を犯せば、3回の累積を待たずに組合全体が1か月の割引停止となることが一段と事態を深刻化させる。運送現場では法令順守に意識を高めているが、一方では通行許可証の不携帯や指定外のICから高速に入る〝うっかりミス〟のような違反も懸念される。
「総重量20~25トン(重さ指定道路でない場合は20トン)」「軸重10トン」「幅2.5m」「高さ4.1m(高さ指定道路でないときは3.8m)」「長さ12m」という一般的制限値もしくは、特例値を超える車両を走らせる場合、通行する道路管理者に許可を得なければならない。また、例え通行許可を得ていたとしても車両に許可証を携帯していなければ、無許可の扱いとなってしまう。
中国地方の運送会社のトレーラが過日、高速道路でパトロール隊による取り締まりに遭い、通行許可証の提示を求められたものの「大量にある関係書類のなかからドライバーが探し出せなかった」という。会社に連絡したが管理者は不在で、結果的に無許可通行の扱い。後で「間違いなくトラックに備えており、現場で見つけられなかっただけ」と申し出たが、無許可が覆ることはなかった。
許可証は2年の有効期限で更新となるが、鉄鋼品などを扱う近畿地方の運送会社によれば「うちも以前は10年以上たった許可証まで一緒に持たせたままだった」(社長)と話す。現在は有効なものだけをファイルに整理して車両に携帯させているというが、「それでも4冊くらいの量。ポール車になると段ボール1箱ほどの書類になる場合もあるようだ」とのことで、「いずれにしても現場でドライバーが素早く提示できるような工夫が必要」と指摘する。
同じく関西圏のトラック事業者は、かつての失敗を踏まえて「利用して構わない高速道路のICを一覧表にして持たせている」(部長)という。岡山県から戻るドライバーが「方向的に都合がよかったのか、下りたICの一つ向こう側のICから高速道路へ流入したものの、そこは通行許可を得ていないIC。悪いことに検問中だった」。いまは青森から鹿児島まで約250か所のICで許可を得ているらしいが、「それでも全体から見ればわずかでしかない」と、同じ轍を踏まないように一覧表を作成したという。
ちなみに〝うっかりミス〟にせよ、無許可として扱われてしまった場合は一般的制限値を基準に超過分が計算されることになる。例えば、積載物を含めた車長が17.5m(最遠軸距10.4m)で総重量42トンのセミトレーラ(トラクタ、トレーラともに3軸)が〝無許可通行〟となれば、これだけで違反点数の合計は8点。高さや幅にも違反があった場合には15点を超える可能性も高いだけに、コンプライアンスの徹底に欠くことができない荷主の理解と協力を求めると同時に、細心の注意を払った運行管理が求められる。この記事へのコメント
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