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    新約款施行まで1か月 求められる「新たな原価計算」

    2017年9月23日

     
     
     

     国交省が新たな「標準貨物自動車運送約款」を施行するまで1か月あまりとなるが、北海道内ではトラック運送事業者の認識の低さや対応の遅れを危惧する声が高まっている。ト協などでは今後、改正の内容や事業者が行う対応などを周知するため、各種研修会の開催を予定しているが、問題となるのが「新約款に対応した原価計算」が、しっかりと行われるかという点だ。
     新約款は、「運送」と「その他の作業」を明確に区別し、貨物の場所的移動に対する対価を「運賃」、運送以外の役務に対する対価を「料金」と定めた。積込料、取卸料、待機時間料、付帯業務料などを「料金」として別建てで請求するというところに大きな特徴がある。
     「約款改正の内容のみならず、改正されるとこと自体を知らない事業者も少なくない。国交省の定めた新たな約款を採用するなら、印刷された約款を掲示するだけでいいので、それほど大変ではないが、その際、運賃と料金の変更届をしっかり出してくれるかが問題。また、旧約款をそのまま使用するという事業者がいた場合、必要となる申請・認可を行ってくれるかも問題」と、道内のト協関係者は話す。


     新約款の採用に伴う「運賃」と「料金」を設定するには、両方ともその根拠となる原価計算を行う必要があるが、同氏は「これを適正に算出し、しっかりと届け出をしてもらえるか心配だ」としている。
     物流ジャーナリスト倶楽部の森田富士夫氏も「約款の改正により、今までと原価のあり方が根本的に変わってくる」と注意喚起する。「基本的には、運賃の部分でドライバーの賃金や償却費など全ての原価を賄うようにしなければならない。今までは待機や荷役など全て含めて『何となく運送原価』としてきたが、これが通用しなくなる。もうすぐ施行される新約款に対応して、各企業が新しい基準で原価を計算しているかが問われ、生産性を上げられる企業かどうかも、これに大きく関係してくる」としている。
     このような心配を証明するように、道内の事業者からは、「原価計算をしたからといって、売り上げが増えるわけではない。新約款への対応は、施行された後、周りの動きを見ながら考えていく。対応が遅れたとしても行政処分があるわけではない」(北広島市の事業者)、「新約款のことはまだ意識しておらず、荷主と新たな運賃・料金の話も特にしていない。そもそも運賃は荷主が決めているので、原価計算の必要も感じていない」(札幌市手稲区の事業者)、「積み込みや取り卸し、待機時間の料金が欲しいと言っても、荷主が支払うかどうかは別の話。届け出をした運賃は現状でも形だけなので、新たな運賃・料金を原価計算してまで算出する必要を感じない」(同白石区の事業者)といった声が聞かれる。
     それでも、新約款の施行以降は、待機や荷役作業などは「行った分を料金として収受」し、基本的なコストは「運賃」で賄うという考えが標準的となる。ここでしっかりと新たな運賃・料金を顧客に提示することができれば、実運送事業者の価格決定力を強めることにつながる可能性もある。そのためにも実運送事業者が自ら原価計算を行って、説得力のある運賃・料金の設定をすべきではないか。
     ドライバーや車両不足により、実運送事業者の発言力が高まりつつある環境も相まって、約款の改正は、適正な価格のあり方について荷主と話をするいい機会でもあるといえる。

     
     
     
     
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