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物流ニュース
アグリンクス 高品質野菜を栽培、鮮度保つ輸送を望む
2018年1月31日
農業生産法人アグリンクス(大嶋直樹代表、岐阜県桐生町)は飛騨高山や美濃に広大な農園を持つ農業法人だ。栽培時農薬不使用を貫き、人体にとっても無害な程清浄な水と空気、栄養豊かな土で育まれた同法人の野菜は、その品質から名古屋市内のホテルレストランや高級スーパーなどで重宝されている。出荷範囲は岐阜・愛知・三重の3県となっている。
アグリンクスでは循環型自然農法を特徴としている。この農法は、肥料に、動物の糞を発酵させたものの他、栽培された作物の茎や葉などを発酵させた堆肥を使用することで、「生産・消費された作物を再利用し、新たな作物を生産する」というサイクルを生む。こうして生まれた堆肥は植物にとっても最適な肥料となり、環境への貢献はもちろん、味・栄養共に良質な商品を生み出す手助けをしてくれる。そんな同法人で重要視しているのはやはり、高品質な野菜の提供だ。大嶋代表は「栽培方法の変化や土壌の変化により、昔のものに比べて味や栄養価が大きく下がっている野菜が多数流通している。本来の野菜が自生している時の姿を知らない人や、本当に美味しい野菜の味を知らない人が増えている」とし、「良い野菜を育て、提供し、食を通じて自然との共生や食べ方を普及させていくことが我々の使命」と力を込める。
そんな同代表に物流事業者に求める輸送品質について質問すると「我々も消費者に安全で良い状態で食べていただけるようトレーサビリティに注力している。輸送の際にも各商品に適した温度管理や取り扱いをお願いしたい。冷やしすぎてもダメなものや衝撃に弱いものがある」と話す。また他にも「輸送体制の安全性にも十分なご注意を」とコメント。
同法人は路線便事業者と、規模の小さい輸送事業者へ輸送依頼するという形態を取っている。実は、過去にドライバーが過労による事故で走れなくなるというトラブルに見舞われている。その時は自社便で約1か月商品を送ることになったという。そうした経験もあって同代表は「過労状態で運転されている所にはお願いできない。余裕を持って安全に仕事をしている所へお願いしたい」と話す。
なお、同代表は現在、自社便割合の増加も検討している。代表は「毎日のように出荷があるが、配送事業者から提示される運賃では採算が合わない」とし「自社便であれば自社のロゴも入れられ宣伝も可能。コストも事業者から提示された料金より安くできる」と話す。
路線便を利用したコスト減については「チャーターするより格安」と話す。しかし「路線便でも全てが出荷した当日や翌日着とはならない。配送時間が、スーパーの開店時間に間に合わないために並べられる日が遅れることもある。鮮度と品質が密に結びつく野菜でこうした事態は避けたい。こういった事態の改善も望みたい」と話す。
他にも現在の車両より大型化させたものを採用するといった計画および、輸送コストの削減と高品質な商品の提供を両立させるため「直接顧客を農園に呼び、自ら選んで収穫をしてもらう」といった形も模索されている。
高品質な野菜を求める声はあるが、一方で品質をそのままに提供することは困難が付きまとうようだ。物流業界の躍進でこれらの課題が改善されることを期待したい。
◎関連リンク→ 農業生産法人アグリンクス
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