-
物流ニュース
エフェクト 新タイプのアルコール検知器、リアルタイムで通知
2018年4月25日
今年5月、新しいタイプのアルコール検知器がエフェクト(光安淳社長、福岡県福岡市)から発売される予定だ。
同社が開発したのは、運転席前方に設置し、リアルタイムでドライバーの呼気中のアルコール濃度を計測する検知器。
アルコール濃度が一定時間、基準値を超えた場合、LEDランプの点灯でドライバー自身に知らされる。そしてIoTを活用した中継器を通じてインターネットで運行管理者にも通知され、リアルタイムで注意喚起ができる仕組みとなっている。データは3G回線を利用して送信されるため、通信費も低価格で済み、ランニングコストも大幅増にはならない。
現在使用されている検知器のほとんどは据え置き型で、勤務開始時と終了時にしか測定ができない。勤務中のアルコール摂取に関してはドライバー任せになっているのが現状だ。
「携帯型にしても、なりすましなどの問題が出ていた。それにデータも本体に記録する物がほとんどで、会社に戻ってからでないと飲酒したかの判断ができない。帰社前に酒酔い状態で事故を起こしてしまえば、計測の意味はまったくない。その問題点を解消するために、車内のアルコール濃度を計測してリアルタイムで通知するという方法を採用した」と光安社長。空気中の濃度を計測するがゆえの苦労もあった。
空気中の濃度を計測するため、車中でアルコールティッシュを使用しても反応が出る。しかし、ティッシュの場合は一定時間で反応は消える。一方、飲酒した場合は呼気に含まれてアルコールが排出され続ける。そのため判断には一定の時間を確保する。
「この製品は特に長距離ドライバーの使用を想定して開発した。勤務時間中に休憩時間や食事時間が入ってくる。常に計測して通知することで事故の可能性を減らせると思う」とし、「この装置は罰則のためではなく、事故防止のためのもの。ドライバーや企業を守るためのもの」と同社長は指摘する。
また、「運行管理者にも検知結果の通知が行くので、取引先への調整が可能になる。ドライバー自身は調整が出来る立場にないため、不調に気がついても対応ができず、それが事故につながっていた」とし、「会社が把握し調整をすれば、事故の可能性は減らせる」と同社長はいう。
そもそもなぜ飲酒運転防止システムの開発を手掛けることになったのか。同社長は、その理由について、「福岡にこだわるベンチャー企業だからこそ出来ることに取り組みたかったから」と語る。
「福岡の課題に対して自分達で何かやっていこうというのがきっかけ。多分野において様々な提案・考案をした中の一つが、飲酒運転防止システムだった」
2010年に飲酒運転事故件数でワースト1位となってしまった福岡県。事故を減らし被害者をなくしたい…その思いが商品の開発へと導いた。「抑止力が働けば、事故は格段に減る」。同社長は確信を持ってそう話す。
また、同商品は、呼気中アルコールだけでなく、心拍や体温の計測器をつけることも可能なため、ドライバーの健康管理にも役立つという。
◎関連リンク→ 株式会社エフェクト
この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ