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    実運送事業者、何も言わずに撤退 運送取引に変化

    2018年8月15日

     
     
     

     荷主・元請け物流会社と実運送業者との間の運送取引の現場で、コミュニケーションに大きな変化期が訪れている。「トラック乗務員をそろえることのできない実運送業者が荷主・元請け物流会社に撤退の期日を伝える。→荷主・元請け会社が、別の実運送業者に輸配送ルートを担うトラックを手当てするよう要請する。→要請を受けた実運送業者が、労働時間などの法令を守りながらの実運送運賃・料金を提示していく」。トラックの乗務員不足から生じる、運送取引の歯車の逆回転だ。問題は、運送取引に、これまで不足していた「出す側と受ける側」の相互理解が今後どれだけ進むのかにある。

     「今日も昼から、『撤退』を伝えに業者がやってくる」。大手物流会社の担当者が、兵庫県内の実運送業者の社長にこぼすように打ち明けたのは7月中旬の暑い日のことだった。打ち明けられた内容は、長年物流会社と取引関係にあった実運送業者による撤退の案件。「『人が集まらない』といって数週間後までに撤退させてほしいと連絡があった」。物流会社の担当者はそう打ち明け、こうした撤退話が実運送各社から複数舞い込んでいる様子を話したという。

     打ち明けられた側の実運送業者は、物流会社との付き合いが加速して進展したのはほんの数年前から。食品や雑貨をめぐる取引だ。それ以前の実運送業者はといえば、協力会社のなかでも末端の存在だった。末端ながら、取引の内容は当初から中身をつめたものだった。社長は、「走行距離100キロまでなら2万5000円。150キロまでなら3万円などという、根拠のない数字は挙げたくない」と話す。

     実際、100キロまでは2万7000円、その後1キロ走行ごとに25円の加算運賃を付けていくなどといった細かい設定を物流会社に提案し、契約内容として採用されている。ちなみにキロごとの25円は、4トントラックの燃費をリッター平均5キロと設定し、現在の軽油価格から割った値を「燃料サーチャージ」相当分として組み込んだもの。

     物流担当者は、この社長に次のようにも打ち明けたという。「今回の撤退に当たっては、実運送業者と一度も運賃、料金の交渉をしたことがない」。物流担当者から見ると、「乗務員が続くような、または引き継ぎの乗務員が新たに採用できるような運賃・料金設定ができていれば。しかし、撤退表明までなんの打診もなかった」打ち明けられた実運送社長は、「実運送側から、なんのサインもなかったというのは物流会社側のおごりだろう。もっとも、具体的なひざ詰めの交渉をしたことがないというのはその通りだとも思う」と本紙に話す。

     近畿地方で輸出入貨物を主に4トン車で輸配送する実運送事業者も、「既存客からの仕事の幅は広がっている」といい、撤退業者から流れてきた案件を引き受けに回っている。事業者は、「『サービス第一、利益第二、乗務員は第三』でやってきた同業者が、変化についていけていない。荷主・元請けから見た『何も言わないまま撤退』は今後も増えるだろう」と話している。

     
     
     
     
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