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    自主的判断広がる 台風などの気象条件

    2018年9月28日

     
     
     

     「どのような危険があるか、あらかじめ見通せるような気象条件のときは、自主的に判断していかなければならない」。猛烈な風と高潮により未曾有の台風被害となった近畿地方。トラックが強風によって横転するなどのリスクを目の当たりにし、「他人事ではない」と判断した事業者ら。彼らからは、運行を取りやめる権限のための環境が実質的あるいは法的に整っていない現状を憂える声が多く聞かれる。「こうした気象災害は、またやって来る」との認識も、これらの事業者には共通しており、「当日は荷物を預かれません」と言い切るための準備を始めている。

     近畿北部に位置するトラック事業者。猛烈な風を伴う台風21号の進行速度が増し、このあたりは4日午後3時ごろに風速がピークになるとされていた。「ちょっと、この状況で、荷主が操業しているというのはどうも」。困ったような様子で、事業者は午後1時頃話した。翌日は天気が回復するというので、取引先が原材料をどうしても欲しいと頼まれた荷主。工場を操業させ、「これから宵積みして」と、荷主は運送事業者に告げてきたところだ。

     事業者はやはり、やりきれない様子。「普段、『安全第一』と従業員に言っているのに、こんな状況で積み込み作業をさせることになるなんて。夕方までに風がましになるのを待つことしか…」

     翌日。その宵積み荷物を積んだトラックが、大阪湾岸にある荷受け先に到着。「受け取りできない」。受け取り側も高潮の影響を受けて操業を停止していた。

     事業者は、荷主への今後の対応について、「小口荷物を任せている複数の路線業者から、『台風の影響で集荷、配送ができなくなるおそれがある』とのファクスが、あらかじめきていた。世間の対応がこのようになっているということを荷主に示していくのに、このように形を整えて防衛線を張る必要がある」

     高潮で冠水した一画があった神戸ポートアイランド。神戸空港に近い2期工事区域は海抜が比較的高く、大規模な冠水は免れた。

     それでもコンテナ輸送事業者は、社内で、ある取り決めをした。「このような台風が来る場合は、当日のピック(コンテナの受け取り)はしません」。荷主にもそう説明をし始めている。

     事業者は、動画サイト「You Tube」で、横転するトラックの映像を見ながら「ウチのトラックが風で横転しなかったのはたまたま。コンテナは積んだら走らなければならず、走ったら横転する。ならばもう、ピックすらしないということ。ここまでの状況になる危険があることが動画で広まったのは、今回が初めてじゃないか」。荷主への説得材料に、動画とその「視聴回数」を使うつもりだ。

     台風当日、4トン車で建材を輸送していた神戸市内の事業者。「濡れてはいけないと聞かされてもいなかった。あの雨や風のなかで運行する以上、濡れるのは当然だが、それでも『弁償しろ』と」。周辺に、高潮で大きな被害を受けた同業者がいるため、自らの被害を「大したことない」と過小評価しながらの物言いだ。

     控えめながらも、トラック業界と社会のあり方に話が及ぶと、過熱気味に話す。「地震などの自然災害の被災地でよく、『物流が止まる』と言われるが、止まるからこそ本当のありがたさがあるというもの。それにも関わらず、止まれば恨みの対象にすらなる、トラック輸送」。〝物流はあって当たり前〟と捉える社会のいびつさをかみ締めながら話す。

     
     
     
     
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