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    上辺だけの働き方改革 しわ寄せは経営陣に

    2018年10月18日

     
     
     

     働き方改革による労働時間短縮が本格化している中で、末端の中小・零細企業でも大手と同じように労働時間はもちろん、残業時間までも大幅に短縮するため様々な努力を重ねている。中小運送会社でも、行政の取り締まりや労務問題から必死に労働時間短縮を図るため、そのしわ寄せが経営陣ならびに経営者親族に大きな負担となっているようだ。

     大阪府堺市で建設資材・機械の輸送を展開する運送A社は、社長が父親で、取締役は息子2人が務めている。長男は配車兼ドライバー、次男はドライバーを務め、社長も人材不足から高齢ながら、いまだ現役でハンドルを握るなど、家族総出で事業を展開している。こんな中で、経営陣とは身内でないドライバーも数人務めていて、経営陣親子は労働時間短縮や業務内容に配慮を欠かさないが、このために生じる負担を経営陣が負っているようだ。

     同社取締役の長男は「9月、10月と祝日が続く中で、祝日の出勤を巡って社員ドライバーに休日出勤を要請すると、一度は嫌な顔をしても出勤するが、二度目の祝日に休日出勤を要請すると、そのドライバーは『他の社員ドライバーは休みなのに、なぜ自分だけが休日出勤なのか』と不満を漏らす。しかし、休日出勤に関して、社長も我々兄弟も交代で出勤し、時には父親、我々兄弟と親子3人とも出勤しているケースも多く、出来るだけ社員ドライバーが休日出勤にならないようにしている。それを理解しない社員ドライバーは、休日出勤は基本的に嫌だと言い張り、その結果、我々社長や役員が代理で出勤するなど、経営陣が社員ドライバーより休日出勤が増えている現状となっている」と説明する。

     また、休日出勤を巡り、同社では役員同士で「社員ドライバーに、そこまで気を使い神経を使う必要があるのか」とのことで、時には口論にもなり、労働時間短縮を巡り、経営陣に大きな負担が寄せられている現状を話す。

     長男の取締役は「弟の取締役に、次の祝日は出勤できるかと言うと、弟もわかってはいるものの、『また、祝日出勤か』と不満そうに言う。毎回続くと誰でも嫌になるのは当然。しかし、社員の労働時間短縮を重視する国の方針に、役員が代わりに出勤して時短に努めている状態で、時短を進めれば進めるほど役員や経営者の身内にしわ寄せがきて、逆に経営陣らが過労になりかねないと言っても過言ではない。国も働き方改革を進めるのはいいが、他にしわ寄せがくるような上辺だけの働き方改革は何の意味もない」と指摘する。

     同社のような問題は他社でもあり、長距離が続けば経営者や経営陣、さらには経営者の身内が社員ドライバーに代わってトラックに乗務するケースは多い。ある意味、経営陣より社員の方が楽な場合も少なくないようで、根本的な部分で働き方改革を進めることがなければ、上辺だけの働き方改革を進めていることになりかねない。

     
     
     
     
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