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    海コン業者への不条理 「合法的な手伝い」も

    2019年4月4日

     
     
     

     国際海上コンテナが陸送トレーラに受け渡しされるコンテナターミナル現場での「不条理」の声が引きも切らない。受け渡しまでの長時間待機問題が指摘されて久しい海コン分野は、同じく待機時間の長い食品など輸送分野別に作られた労働時間改善のための懇談会すら設置されない状況が続く。契約上も、そして法的にも海コントレーラは海陸輸送の接点であるために位置づけすら判然としない部分が多く、対策が後手に回っている印象が否めない。

     海コン陸送事業者が集積する神戸港。3月中旬の夕刻、牽引車(ヘッド)が10台程度の事業者は、事務所から数キロしか離れていないコンテナターミナルで受けた指摘がもとで、他の仕事が手につかない様子だった。「空コンテナを返却するため、うちのトレーラがターミナルに入ったところ、『コンテナの中が汚れている』との指摘があった。洗浄しなければ空コンテナを下ろしてもらえないため、海貨業者を通じて荷主に洗浄の承諾を申し入れているが、6時間経った今も承諾の返事が来ない」。空コンテナが下ろせないため、シャシーを次の仕事に利用することができないのだ。

     中国から輸入されてきた当時の中身は、荷姿がダンボール梱包状態だった。国内荷主はその事実をもとに、「汚れは事実としてもウチが汚したわけではない。中国から輸入される以前から汚れていたのではないか」と主張。洗浄にはコンテナターミナル内の設備を使うと8千円程度かかるため、荷主を顧客とする海貨業者も立て替え払いに躊躇している様子。そのあおりが海コン業者のシャシーが死蔵する現象となっているのだ。

     つい先日、海コン業者は、荷崩れ防止のためと見られる板材がコンテナ内部の床面に釘打ちされていたのを指摘され、社長自らはがす作業をさせられたばかりだ。社長は、「コンテナ返却時のチェック基準が、どこにあるのかが疑問。シャシーが金を生んでくれるのに、しょっちゅうこうしたことがあれば大きな損害だ」と話す。

     名古屋港ではこうした問題が常態化していた2012年当時、中部運輸局などが「返却コンテナの清掃・洗浄問題勉強会」を立ち上げ、「国際複合一貫輸送約款において『荷主は、汚れがない状態で返却する責任を負う』と規定されている」などとする、国内荷主宛て文書を同局名義で発出している。

     神戸港の海コン業者の一人は、「複合輸送約款を持ち出しても、契約当事者でない海コン業者に責任を事実上おっ付けるのは可能」とし、契約上の不備の付けが海コン業者に回ってきていると認識している。

     同じ神戸港では、長時間の待機時間問題が今も喧伝される。「その割に、いつまでも問題が温存されているのが不思議」とある事業者は話す。待ち時間以前に、「コンテナターミナル内に緑ナンバートレーラが入り、本来マーシャリングヘッドがするべき荷役の手伝いをしていること自身が解せない」とも。

     緑ナンバーのトレーラがターミナル内で輸送業務に当たることは、港湾運送事業法に抵触しないのか。港湾運送事業法は港湾運送の定義を第2条一項で定める。所管する近畿運輸局貨物港運課は、同法に照らし、港湾運送業者のマーシャリングヘッドがする運送行為は事業法上の荷捌きである一方、「緑ナンバートレーラがする運送行為は搬出するための行為」とし、運送行為の目的が異なるとの解釈だ。搬出行為は港湾運送事業法上の事業の類型にはなく、よって緑ナンバーの運送行為は港湾運送事業法に抵触しないとの立場をとっている。

     海コン事業者は、「行為そのものでなく、行為の目的で判断するなんて…。合法的に手伝いをさせられる環境にあるということか」と話している。

     
     
     
     
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