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物流ニュース
物流費の上昇とは?便乗値上げではないか
2019年6月5日
大型車両による原材料輸送が主力のトラック事業者。50代の男性経営者は「うちの場合、フル積載しても1台当たりの積み荷の値段はせいぜい50万~60万円。1000万円を超えるような製品を運ぶ会社の運賃と、どう調べたうえで国は標準的な運賃を示すというのだろうか」と納得しかねた表情で話す。
テレビや新聞などで最近、物流費の上昇を理由の一つとした製品値上げが報じられるたびに「それでは聞くが一体、どの部分の物流費が何パーセント上がったのか。仮に5%上昇したというのなら、同じ比率で運賃もアップしていなければおかしい。申し訳ないが『便乗値上げ』ではないかと皮肉りたくなる」と憤る。
「消費者が生活に関係する商品の値上がりに敏感なのは当たり前だが、その製品が工場から小売店へ何段階の輸送工程を経て運び込まれるかによっても物流費の総額は大きく違ってくる」と食品輸送がメインの40代の運送社長。4月に入って食品や飲料などの値上げが相次ぐなか、同氏も物価上昇の根拠に原材料の高騰に加えて物流費が並べられることを疑問視している。
実運送に軸足を置くトラック事業者にとって収入の大半は運賃。「物流費という表現で一括りにされてしまっているが、大型なら2500万円以上もする高価なトラックを買い、高止まりの状態が続く軽油を注ぎ込み、1台ごとにドライバーが乗り込んで動いている実運送の最前線にいる立場からは、物流費の上昇という言葉の意味がわからない」と息巻く。
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