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進まない処遇改善 「議論すらない物流業界」
2017年4月19日
人手不足が喧伝される物流以外の業界で、この春から労働者の給与水準を引き上げる動きが目白押しだ。業界ごとに「労務単価の引き上げ」「処遇改善」など、使われる用語は違っても、いずれも職業そのものや周辺にある公共性に着眼することにより給与水準の引き上げが正当化されているもので、人為的な操作による引き上げをするための法律上の根拠を各別に伴う点も共通している。ひるがえって物流業界。人手不足の現状やその職業の公共性が、にわかに着目され出したものの、給与水準の引き上げそのものは、検討どころか、ほとんど議論すらない。給与水準をこのまま市場に任せるだけでは、先細りしか見えてこないのも物流業界の現状だ。強制力を伴う何らかの形づくりが必要とみる物流事業者は多い。
「国内人口が減少する中で、労働力という限られたパイの奪い合い競争すら成り立っていない」。物流、ことにトラックドライバー不足をなんとか解消したいと話す兵庫県の運送事業者は、そう話しながら、「介護職」を引き合いに出した。同事業者が目にしたのは、介護職の給与が2016年9月までの1年間で月平均9500円引き上げられたという、最近の報道だった。厚生労働省によると、今年度も月額平均1万円相当の処遇改善を実施するため、臨時に1・14%の介護報酬改定を行う。介護事業所に勤める介護職員の処遇改善については09年、「他の業種との賃金格差を縮め、介護における雇用を安定させる」ことを目的に、国費から都道府県に渡す「介護職員処遇改善交付金」が設けられた。交付金は介護職員の給与に月平均1万5000円が直接反映される形をとったが、12年度には介護事業者が受け取る介護報酬に組み込まれる「介護職員処遇改善加算」という制度に組み替えられた。
(詳しい内容は、物流ウィークリー4月17日号に掲載しております)関連記事
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