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    当たり前になった「薬物汚染」 狙われやすいドライバー

    2011年4月14日

     
     
     

    まさか、うちのドライバーが──。
    芸能界で騒がれている薬物汚染だが、高校生でも容易に入手できるいま、運送業界だけでなく、すべての企業で問題になりつつある。「ひと昔前ならともかく…」という経営者は多いが、過酷な労働環境で走るドライバーが、睡魔を追い払うために使用することも考えられない訳ではない。薬物を使用したドライバーが事故を起こしたケースもあり、企業としても正しい対応が求められている。
    「50人に1人はいる計算」。関西医療福祉コンサルティング(大阪市天王寺区)の岩田雅彦氏は、日本で拡大が進む薬物経験者の多さをこう表現する。厚生労働省の研究班がまとめた「薬物使用に関する全国住民調査(2009年)」によると、15歳から64歳までの違法薬物の経験者は約2.9%。全国で約276万人に上るとされ、100人いれば3人は経験者ということになる。


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    同氏は、「従業員が50人以上いれば、『まさか』ではなく、会社に薬物中毒者がいて『当たり前』と考えた方が自然」と指摘。当然、この話をすると怒る経営者が大半だが、「依存症患者に話を聞くと、『バレるのはコントロールできなかったヤツだけ。うまく使っている常習者は山ほどいる』と口をそろえる」という。「証拠がいくら見つかろうが、使用している事実を認めないというのが依存症患者の典型」とし、「私は絶対にやっていませんと涙を流して嘘をつかれると、経営者は『お前がそこまで言うなら…』と信用してしまう」。
    現在、薬物汚染は一般的に知られている状況より深刻さを増しているという。長引く不況による社会的な閉塞感がまん延していることに加え、販売する側が熱心に営業活動を展開しているためだ。「原価が5ー10円のものが1万円で売れる。利益率が1000─4000倍と非常に儲かる」。売人も商売上手で、リピーターが98%とほとんどが常習者になることから、「はじめは無料で提供したり、長期的に買ってくれる中高生をターゲットにするなど巧妙」。また、「ニーズのある市場に目をつける」ため、眠気を払って運転するドライバーは狙われやすいと言える。
    0414dvd.jpg 同社ではこのほど、薬物依存症の認知度向上を目的に企業向けDVD(小冊子とセットで2万9800円)を作成。依存症の患者へのインタビューを中心に弁護士の見解を紹介するなど、これまでにないリアルな内容となっている。制作の理由について同氏は、「様々な情報が飛び交ういま、現実を正しく伝える必要があると考えた」とし、「企業の社会的責任の一環として、従業員に薬物の怖さや真実を伝え、決して手を出してはいけないものとして教えるべき」とする。ただ、「従業員を集めて、単に『やってはいけない』という話だけだと既にやっている人間は追い詰められてしまう」ため、「啓発活動をする際には注意が必要」。
    岩田氏は、「薬物依存症は病気で、『治らないが回復はできる』ということが意外と知られていない」とし、「正しい知識に基づいた専門的な治療や援助が絶対に必要」と語る。同社HPでは、薬物依存症について様々な情報を掲載している。

     
     
     
     

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