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    トラック購入法で工夫 燃料高で買い取り再燃

    2011年4月5日

     
     
     

     軽油が大幅な値上げ傾向を示すなかで、トラックの買い取りを案内する専門業者からの電話が再び急増しているという。
     ピーク時の8月にはスタンド給油の軽油価格がリッター150円を記録した「悪夢の平成20年」は、その半年以上も前から繰り返されていた値上げによって「処分できる貯金や土地などを持つ老舗のトラック事業者とは違い、新参組の場合はトラックを売るしか軽油代の支払いを工面する方法がなかった」という現実もあったが、「あの当時と同様のムードが漂っている」と話す中古車販売の関係者もいる。ただ、ここ数年間で大幅に減車したトラック事業者も多く、以前のようにはいかない事情もある。
     一方では「適正なトラック台数と、買い方を考え直す機会にすべきだ」と話す経営者の姿もある。


     燃料価格が急上昇を始めたタイミングで、各地の運送会社に「トラックを買い取ります」という専門業者からの電話が再び頻繁にかかるようになっているが、「うちにトラックはない」「新車ばかりで売る予定はない」と相手にしないトラック事業者が大半という。「本当に潰れると思った2年半前は蓄えと、数台のトラックを売って軽油代を作った」と苦しかった当時を振り返る広島市の運送社長は、「トラックの買い方を変えるきっかけにもなった」と話す。
     それまで「使えるだけ使うというのが基本的な考え方で、中古トラックを買うことも多かった。だから100万kmなんて序の口で、いかに寿命を延ばすかにこだわっていた」という同社だが、先輩に当たる同業社長のアドバイスで「トラックは新車で、できればリースではなく割賦で購入する方法に切り替えた」と社長。
     軽油価格が落ち着くのと時期を同じくして、うまい具合に仕事量が増えたこともあって「国の補助金を上手に使ってトラックを新車に代替えする」という先輩の教えに従ったという。
     「中古トラックの相場が高い半面、売れない新車は条件次第で安く買える。手始めに6年落ちで、走行70万kmの大型を新車と入れ替えた。下取りとの価格差は600万円ちょっとになったが、これを今度は5年で償却する計画。毎月10万円ちょっとの支払いで時期が来れば、さらに次は小さな負担で新車への代替えが可能になる」と社長。
     「3か月分くらいを頭金で出せば相手も喜んで組んでくれる」と一部でリースも活用しているが、「リースは借金であるにもかかわらず、支払いの実績しか見えない」と、あくまで今後も購入によるトラック調達を柱にする考えだ。
     岡山市の若手経営者の場合は「いまは月間稼働が20日間というのが基本になっている感じだが、仮に故障で3日間でもトラックを止めれば、たちまち売り上げが15%減ることになる」と経年車を酷使するマイナス面を嫌い、かねて新車購入にこだわってきた。「いまの代替えは4年ペース。周囲が中古トラックばかりを意識しているから、新車を買うほうが有利。新車が値引きされるタイミング、さらに中古車相場の動向を見ながら代替えしている」と話す。
     一方、「走行距離が100万kmを超えたらガクッと値段が落ちると聞くから、それまでに売りに出すのが理想かもしれないが、10年近く乗った大型トラックでも150万円ほどで買い取ってくれる業者がいる。それを新車リースの頭金として入れてもいいし、毎月のリース料として充てるなら半年分が確保できる計算になる」と広島市の中堅事業者。「営業収益の確保が難しいなかで、それをトラックの売却益でカバーしている事業者も少なくないと思うが、それだけに代替えのタイミングや購入計画が重要な戦略になるといえる」と話している。

     
     
     
     

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