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    飲酒検問でトラック押収 延着し契約打ち切り

    2011年4月6日

     
     
     

     昨年4月に省令が改正され、呼気中の濃度に関係なくアルコール反応があった場合、行政処分が科される。今年5月からは、事業者は点呼時の酒気帯び有無の確認の際、アルコール検知器を用いることが義務付けられる。飲酒運転に対する社会的規制は年々厳しくなり、運送事業者は対応に追われている。
     関西のある事業者で、運転者が飲酒検問でアルコール反応が確認され摘発された。結局、その影響で荷主との取引が打ち切りになってしまったが、同社は「会社内でいかに設備を整えて徹底させても、飲む者は飲む。どこまで従業員を信用すればいいのか難しい」と頭を抱えている。


     同社は飲酒運転の社会的規制の高まりに伴い、早くからアルコールチェッカーを導入し、点呼時に呼気チェックを行ってきた。チェッカーは昨年から、より精度の高い電気化学式に入れ替えて、全体ミーティングでも飲酒運転の怖さについて口を酸っぱくして言ってきた。
     また、昨年から運転者の採用時に、毎日のように晩酌する者は採用しない方針を打ち出し、飲酒運転の可能性のある者を根元から排除した。
     ところが、今年に入って採用した大型トラックの運転者が、関東方面へ向かう途中、飲酒検問で酒気帯び状態であることが発覚。運転者は警察署に勾留され、警察から会社に連絡が入った。社長の指示で代わりの運転者が現地に飛んだが、荷物が積み込まれた大型トラックは警察が押収。約6時間留置され、朝8時到着指定の荷物が、到着したのは昼過ぎ。それ以来、同社への仕事依頼は激減し、先日、契約を打ち切られたという。
     運転者は就業規則に基づき、即刻解雇された。警察の調べでは、運転者は夜の出発前、会社の点呼でアルコール検査を受けて出発したが、途中にコンビニで缶チューハイを2本購入して飲み干したという。
     40歳代の運転者は同社で働く以前も運送の経験があり、免許証はゴールド。腰が低く丁寧な応対で、面接時は「お酒は、たまに付き合いでたしなむ程度」と話し、社長も安心しきっていたという。横乗りを2週間させ、ベテランの従業員から問題なしと判断され、今回の事件は正式採用してわずか1週間後の出来事であった。
     先日、同社に100日車の車両停止処分の通知が来たが、社長は「警察が家族に聞いた話によると、アルコール依存症であったとのことだ。飲酒運転は今回だけでないと思う。今回は、大きな事故にならなかっただけでも幸いと思うしかない」と、しみじみと話していた。

     
     
     
     

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