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    運輸従事者 484人自殺 うつ、生活苦、仕事の失敗・・・

    2011年4月12日

     
     
     

     警察庁が3月3日に発表した「平成22年中の自殺の概要」によると、運輸従事者の自殺者は484人で男性480人、女性4人となっている。全自殺者3万1690人中、1.53%を占めた。前年の500人に比べると16人減少したが、他のサービス業、飲食店店員195人、機械工173人、外交員・セールスマン321人と比べても多い数字だ。
     自殺原因では、夫婦関係の不和が27人、病気の悩み(身体の病気)が40人、同(うつ病)は27人、生活苦が40人、負債(多重債務)の59人などが目立つ。仕事関係では、仕事の失敗が15人、職場の人間関係が16人、仕事疲れの16人などが多い。


     また、運輸労連が実施したトラックドライバーのアンケートによると、「所定労働時間が『守られている』は41.7%で、昨年から2.9ポイントの減少。一方、『守られていない』も29.7%で3.9ポイント減少し、改善傾向にはあるが、全体の3割が守られていない実態」という。しかし、「『わからない』と答えた人は27.8%と高く、昨年から7.2ポイント上昇している」という。
     このような労働条件下で、「運輸・建設職」の51.8%が、仕事などに対して「強い不安、悩み、ストレスがある」(厚生労働省・平成20年労働者調査)という。その中でも、「定年後、老後の問題」が最も多く36.7%、次いで会社の将来性が28.4%、職場の人間関係が28%と続く。
     労働組合の関係者は「人材育成に力を入れる企業は多いが、従業員のメンタルヘルスをケアしようという会社は少ない。そこをサポートしなければ、『使い捨て』にもなりかねない」と危惧する。また、「昔なら仕事で失敗した部下に一喝して終わりにできたものが、そう簡単にはいかなくなっている。すぐに辞めてしまうし、パワハラとなれば面倒なことにもなりかねない」という運送事業者も多い。
     「メンタルヘルスなんて、運送会社には関係ない」という時代でなくなっているのは確か。有能なドライバーを失う前に、運送会社も手を打った方が良さそうだ。
     「一つの業界で500人前後の自殺者というのはかなり多い」という労働組合の関係者。「なにがしかの原因があると考えて欲しい。トラックドライバーからの相談も少なくはない」と指摘する。さらに、「従業員のメンタルケアが重要になってきている。仕事にまじめに取り組む人間の方が、メンタル面に問題を抱える率が高い」とも。
     それでも、「ドライバーは募集すればすぐに集まる。景気が悪くなれば全員解雇して、景気が良くなるまで休眠させるだけ」という運送会社があるのも事実と話す。「その考えが自殺者数に現れているとも言える」と訴える。

     
     
     
     

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