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    震災後、急激に燃料が不足 許すな便乗値上げ

    2011年4月8日

     
     
     

     東北地方太平洋沖地震の発生直後、急激に自動車燃料が不足し始めた。首都圏など被災地以外の地域でも、緊急輸送に限らず、一般の生活物資の輸送用燃料の確保もままならない状態が続いた。3月22日に開かれた与党の経産、国交合同部門会議は「燃料市場は正常に戻りつつある」との認識で閉会したが、末端の現場では悪質な「便乗値上げ」が出没している。特に関東圏では「軽油1Lを200円で買わされた。何とかできないか」とのクレームが地元のト協に寄せられたという。現在、会員組合を通じて燃料需給状況を調査中の日貨協連(杉本守巧会長)は、「便乗値上げは絶対に許してはならない」と呼び掛けている。


     元売り各社で組織する石油連盟にも連日、ガソリンや軽油の供給不足に伴うクレームや問い合わせが殺到。その中に「他店に比べてとんでもない高値で売り付けられた」「ガソリン1Lが165円。これが3か月続いたら安くなるのか」などの苦情も相当数含まれている。
     元売りの担当者によれば、「燃料は基本的に小売店がいくら高く売ろうが違法にならない。通常は市場原理が働き、他店とさほど差のない価格に落ち着くが、非常時は別。異常なニーズに対し、好きな値段を付けて売ることはいくらでもできる」という。
     直近のSS店頭価格(税込み)を発信するインターネットの全国価格サイト(GOGOLabs)では3月22日現在、レギュラーガソリンは1L平均148.9円で最高値は山形県の156.8円。軽油は平均127.4円で最高値は青森県の134.5円。ただ東京都内では23日現在、レギュラーガソリンは150―158円、軽油は135―140円で販売されている。
     全国石油商業組合連合会などは「平均価格と比べて、あまり乖離しているようなら便乗値上げと言わざるを得ない」と説明するが、石連は「価格について一切関与していないので何も答えられない」(広報担当)。ただ「クレームは、被災地とその周辺の地域が多い」という。経産、国交合同部門会議で「改善の方向」を確認したのは供給の「量」の問題で、価格は話題にならなかった。
     石連の天坊昭彦会長は、自社の出光興産は「当分は卸価格を上げることはしない」と言明したが、他の元売り各社に尋ねると「需給バランスや、その他を見ながら決定する」「市場が決める」など含みのある回答。
     「火事場泥棒」のような便乗値上げは「供給量が回復すれば自然に消滅する」とみられるが、「問題はその先」とトラック業界関係者は指摘する。「SSの経営全体が厳しい中、超高値安定は小売業者の望むところ。地域的、限定的な価格カルテルも予想される。ト協は石連などと協力し、燃料の販売価格を監視する体制を構築できないものか」と話している。

     
     
     
     

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