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ブログ・上西 一美
第66回:起床して「8時間後に眠くなる」
2022年3月4日
皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。前回は居眠りのリスクについて話をさせていただきました。今回はその具体的な対策について、日頃セミナーで話している内容をお伝えします。
居眠り防止は、原則として睡眠をしっかりとることが必要で、点呼等では、睡眠の有無の確認が義務付けられています。過去に公益社団法人交通事故総合分析センターがこんな調査をしました。1996年から2006年までの10年間に起きた約2000件の交通事故の中から、居眠り運転が原因の1つになった100件ほどの事故を抽出し分析した結果、前日の睡眠時間が4時間以下になると、居眠り事故の発生率が急上昇するそうです。
また、2006年に厚労省が行ったトラックドライバーが対象の「過労運転等による交通労働災害防止に関わる調査研究」によると、睡眠時間が5時間未満のトラックドライバーは、5時間以上のドライバーに比べて、ヒヤリハット体験が2.3倍も多く、睡眠不足が事故を引き起こす可能性を高めているということでした。
この結果をみても、やはり、睡眠時間の確保(最低でも5時間)は必須ということがわかります。ただし、睡眠をしっかり取っただけでは交通事故は防止できません。
皆さんは、ご存知でしょうか? 人間は起床してから8時間後に、1時間ほど睡魔を感じる時間があると言われています。「食事をとると眠くなる」とよく言われますが、この「眠くなる時間」は食事の有無にかかわらず発生します。しかも、これは睡眠を充分にとっていても起こる現象なのです。よって、睡眠を確保することは当たり前ですが、確保しただけでは交通事故は防げません。この「8時間後に眠くなる」ことを運転者にぜひ伝えて下さい。
◎関連リンク→ 一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/関連記事
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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