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国交省 軽貨物事業を可能にする規制緩和、軽乗用車の運送使用への期待
2022年9月20日
国交省は8月、軽乗用車を使用して貨物軽自動車運送事業を可能にする規制緩和を行うと発表。パブリックコメント(8月9日~9月8日)を実施した上で10月に施行される。これにより、車両価格が安い5ナンバーの小型乗用車でも貨物運送に使えることになるため、新規参入や、事業の新たな展開が期待される。
10月から施行される規制緩和案では、「貨物軽自動車運送事業において軽乗用車を使用可能とし、積載できる貨物の重量は、乗車定員数から乗車人数を控除した数に55kgを乗じた重量以内とする」としている。
なお、積載できる貨物の重量の違反をどのように確認するのかなど、今回の規制緩和に必要なルールや詳細について、国交省貨物課は「パブリックコメントも踏まえて、施行までにまとめる」と話している。
規制緩和による混乱は避けなければならないが、これまで原動機付自転車でフードデリバリーをやろうとしていた人も、低価格の小型乗用車は手に入れやすいので、フードデリバリーのみならず、簡単な宅配事業への参入も可能となるなど、期待は大きい。
出前館やUber Eatsなどのフードデリバリー事業者も、料理の配達以外の配達業務にも幅が広がるだけでなく、配達員の確保にも良い影響が得られる可能性が高くなることが想像できる。
また、ネットワークを持っている貨物軽自動車運送事業者にとっても、労働力不足のなかで人を集めやすくなるほか、事業に新たな展開や可能性が広がるため、規制緩和を期待する事業者も少なくない。
貨物軽自動車運送事業者のなかには「規制緩和はチャンスだが、営業用に軽自動車をたくさん持っている会社や集められる会社が、軽貨物運送事業に参入する可能性もあるので、脅威でもある」という。
一方、「メリットだらけ」と考える事業者もいる。首都圏と福岡で軽貨物配送サービスを提供しているケイソー(千葉県柏市)の伊藤淳社長は「小型乗用車を黒ナンバーに変更してもらえば、運べる人が増える」として、「新しい事業がやりやすくなる」と話す。
同社が、福岡県で電気材料販売事業やペットのブリーダー事業も展開しているウィントラスト(松田修弥社長、福岡県北九州市)と準備を進めているペット輸送で、「今回の規制緩和が追い風になる」と、計画に取り込む考えを明らかにしている。
「ペット市場とペットタクシーの市場があり、ウィントラストは日本全国にブリーダーのネットワークと動物病院にもコネクションもある」とし、「小型乗用車であれば、重さ的にも問題なく、配送ネットワークも構築しやすい」としている。
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