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ブログ・上西 一美
第95回:子どもとの接触事故に注意
2023年5月25日
日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。毎年、この時期に気を付けないといけないのは、「子どもとの接触事故」です。4~6月にかけて多くなり、6月がピークを迎えると言われています。
子どもとの事故は、データ上、その特徴が明確です。まず発生時間が平日は午後3時から同5時、いわゆる下校時間以降に集中的に発生します。これは、登校時は集団登校が多い反面、下校は子どもがそれぞれ自由に帰宅していくからだと言われています。ちなみに、休日は時間のばらつきがあり、終日、注意が必要です。
また、小学生低学年が被害に遭う事故が多いのも特徴です。「危険感受性」が低いからで、特に小学1、2年生が多く、飛び出しによる事故が増えます。車の進行方向からすると、左側、特に歩道からです。
では、具体的にやって頂きたい運転習慣ですが、当然、速度超過しないことです。子どもとの事故が多い場所では、「ゾーン30」が設定されることが多いのですが、なぜ時速30km制限にするのか、皆さんはご存知ですか?
これは、時速30km以上になると、歩行者と自動車が接触した時の死亡率が激増するからです。警察庁のデータでは、時速20~30kmの場合の死亡率が0・9%に対して、時速30〜40kmになると2.7%に上がるとされています。10km超えることで死亡率が3倍になるのです。よって、時速10kmでも超過しないことがとても重要です。
さらに、生活道路の交差点では、最徐行だけではなく、ブレーキに足を置いた「構えブレーキ」も重要です。ブレーキに足を置くことで、急な飛び出しにも反応が早くなります。
アクセルからブレーキへの踏み換え時間は、通常、0.2秒かかると言われていますが、この0.2秒でも早くブレーキを踏むことで、子どもの命を守れるのです。
見通しの悪い交差点や子どもが歩道にいる状況で側面通過をする時は、ぜひ、この運転習慣を持つようにご指導ください。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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