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ブログ・上西 一美
第104回:夜間走行時の2つの注意点
2023年10月5日
日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。最近よく耳にするのが、歩行者と車両の接触による死亡事故です。例年は10月から12月にかけて多くなるのですが、例えば東京都内では、6月末から7月初旬のたった1週間で6件も発生しています。そして、これらの事故はすべて夜間に発生しています。
夜間走行時の注意点は2つです。1つ目は速度超過。交通量が少なくなり、つい運転者は速度を出しがちです。夜間は視認性が悪くなるだけでなく、運転者の疲れ目などで、より認知力が下がるわけですが、なぜか交通量が少ないことを理由に速度を上げる運転者がいます。
皆さんは吹雪などで前方が見えない時に速度を上げますか? ほとんどの方は、「速度を落とす」と答えるはずです。にも関わらず、「夜間は視認性が落ちる」のに、その認識の薄さから速度を上げてしまうのです。
速度を時速10km上げると、歩行者と接触した際の死亡率が3倍上がると言われています。「10kmぐらい」という意識は捨てて、速度をしっかりと守って下さい。
次のポイントは、ハイビーム走行です。道交法でも定められている通り、夜間走行時は基本です。もちろん先行車や対向車がいる状況では、ロービーム(すれ違い前照灯)を使って下さい。しかし、少しでもハイビームを使える状況であれば、切り替えるのが運転者の義務です。
この時期の歩行者との事故は、歩行中だけとは限りません。人が寝ている事故(歩行者路上横臥事故)も8月に増えます。ハイビーム走行で少しでも早く相手を見つけ、ブレーキが間に合うように速度を守っておく、この運転の基本を、いま一度、再認識して下さい。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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