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物流ニュース
エムイーシー 運送管理システム「ここる」開発
2016年6月24日
エム・イー・シー(東京都港区)は、日本トラックドライバー育成機構(JTDO)と共同で、ドライバーの視点を強く意識した運送管理システム「ここる」を開発した。
田山教夫社長は、「運行管理や配車など、既存の物流システムの大半は管理者向けのものだが、『ここる』はドライバーへのアプローチに重点を置いている」と説明。「良いドライバーを正しく評価して育成し、なおかつ労務管理もできる」と付け加える。
同システムでは、クラウド上にドライバーごとのマイページを設置。ドライバーは自身の運行スケジュールや会社からの指示をスマホやタブレットで確認できる。
「ドライバーを管理するとなると、『GPSを付ければ良いのでは』と単純に考えがちだが、それだけでは反発が起きる」と同社長。「GPSをオンにすれば、ドライバーに何かしらのメリットがあるようにすることが重要」とし、「有益な情報を発信するなどドライバーをサポートし、利便性を高めることでドライバーからの信頼を勝ち取る」と、同システムのコンセプトを説明する。
具体例として、「荷主ごとの作業マニュアル」を挙げる。「作業手順書や搬入口の写真、積み下ろしのポイントなどをシステム上にアップしておくことで、いつでも確認できる。また、現場で必要な情報を入力するようにしておけば、ドライバー間の情報の共有化にもつながる」とし、「外にいながらも会社のサポートが受けられる体制が構築できる」。
ドライバーの「評価」の面では、JTDOの酒井誠代表理事(ナルキュウ)が提唱するポイント給与制度に対応。「業務内容ごとにポイントを設定し、手積み手下ろしや緊急対応といった負荷がかかる作業はポイントを多めにするなど、ドライバーの仕事を正しく評価することで公平感を生む仕組み。お金をポイントに置き換えることで、生々しさもなくなる」。
「会社が目指す方向性の作業内容のポイントを高くすることも有効。例えば、食品輸送に強みを持たせていきたい事業者であれば、洗車のポイントを通常の2倍にする、安全を最優先に考える事業者なら無事故のポイントを高めるなど、やり方を工夫することで、ドライバーが会社の方針に目を向けるきっかけとなる」と話す。
さらに、「収入をシミュレーションできるのもドライバーにとってはメリット。『あと何ポイント稼げばいくらになるのか』が分かるため、休みを取る際の目安にもなる」。
同社長は、「ゆくゆくはJTDOが提供している講義などをeラーニングの形で提供できれば」とし、「荷待ち時間を利用して、ドライバーは知識をさらに高めることができる。プロドライバーを育成するための手助けとなれば」と展望する。
システム利用料は、1ユーザーあたり月額1000円(税別)。 システム名の「ここる」は「心」の語源から来ており、「心を持ってドライバーにサービスを」という思いが込められている。「まずは多くのドライバーに使ってもらい、いろいろと意見をいただいた上で、さらにより良いシステムにしていきたい」。
◎関連リンク→ 株式会社エム・イー・シーこの記事へのコメント
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