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ブログ・野口 誠一
第31回:倒産の原因第2位/社員教育の不備・欠如
2004年4月8日
「倒産の原因ワースト10」の第2位は「社員教育の不備・欠如」である。
中小企業の場合、社員教育の手抜きは命とりになると思ったほうがいい。
現実に倒産原因の第2位にランクされているのだから、その重要さは推して知るべきであろう。もともと中小企業は、大企業に比べて人材的に恵まれているとは言えない。とすれば、大企業以上に社員教育を徹底し、乏しい人材を「人財」に変える必要があろう。にもかかわらず、社員教育を手抜きしたり、なかにはないがしろにしている企業も少なくない。
その背景にはおそらく、社員教育の時間的、資金的余裕がないという事情もあろう。社員教育に限らず、教育と名のつくものは、それが身につき成果が上がるまで、長い時間を要する。そこで手っ取り早く、外部の研修機関に委託したり、経営コンサルタントを招いたりしてお茶を濁すが、そんな泥縄で社員教育の実が上がるわけもない。
社員教育の先頭に立つべきは、言うまでもなく経営者自身である。
なぜなら、どのような会社にしたいか、そのためにはどのような人材が必要か、そこが一番よくわかっているのは経営者自身に他ならないからである。そこを忘れて外部任せ、他人任せでは、経営者の責任を果たしていないどころか、自ら倒産を招くようなものであろう。
しかし、そういう経営者に限って、「うちの社員は育たない」「うちの幹部は部下の教育ができない」とグチる。が、なんのことはない。経営者自身が社員を育てようとしていないだけのこと、部下の教育ができないような幹部を任用しているだけのことにすぎない。
中小企業は大企業以上に、社員一人当たりの生産性を高めなければ伍していけない。それを可能にするのが、教育によってレベルアップされた「人財」であろう。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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