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ブログ・野口 誠一
第33回:倒産の原因と真因
2004年4月14日
前回まで「倒産の原因ワースト10」と題して、八起会が倒産経験者にアンケート調査した結果を紹介した。
第1位 経営者の高慢・経営能力の過信
第2位 社員教育の不備・欠如
第3位 事業目的・目標・計画性の欠如
第4位 業界情報の不足と環境変化への対応不備
第5位 新商品の欠如・技術開発の遅れ
第6位 家庭不和・同族経営の弊害
第7位 公私混同と経営哲学の欠如
第8位 決断力・実行力の欠如
第9位 計数管理の不足と勉強不足
第10位 ワンマン・反省心の欠如
この「ワースト10」を一見して、首を傾げる読者、経営者もおられるに違いない。
なぜなら、ここには「バブル崩壊」「長期不況」「貸し渋り」「デフレ」など、誰もが真っ先に思いつく倒産原因が何一つないからである。
が、それには理由がある。この「ワースト10」は、わが会員が自らの倒産を徹底的に反省し、分析した結果の姿だからである。バブルも不況もデフレも、外部環境の変化に過ぎない。その変化に対応していくのが経営であるとすれば、倒産の真の原因は、それができなかった経営者側にあろう。この「ワースト10」は、そうした反省と分析の過程を経て出てきたものである。
会員の中には詐欺師に騙されたり、経理マンに穴をあけられた結果、倒産を余儀なくされた気の毒な例も少なくない。が、そういう原因もここには入っていない。それらはすべて経営者の甘さゆえだからである。
したがって、この「ワースト10」は、倒産の原因というよりも真因と言ってよく、そこを汲んで参考にしていただければ幸いである。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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