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ブログ・野口 誠一
第37回:倒産者に共通する性格第3条・嫌いなこと、苦手なことを避ける
2004年4月27日
倒産者に共通する性格の第3条は、「嫌いなこと、苦手なことを避ける」ことである。
好き嫌い、得手苦手は誰にでもある。が、そういうことを言っていられない、それに甘んじていられないのが経営者である。
大企業の場合、トップが技術系であろうと営業畑であろうと、豊富な経営陣をもって苦手な部門をカバーできるが、中小企業な場合はよほどナンバー2、ナンバー3に恵まれない限り、カバーできない。
したがって、中小企業経営者は苦手をつくってはならないし、常に苦手を克服すべく努力が求められる。が、これが口で言うほど簡単ではない。とくに、自分の得意分野に特化して業績を伸ばしてきた経営者には難しい。
わが会員の中にもそういう例は枚挙にいとまがない。機械いじりが好きで一日中工場に入り浸りだった元経営者もいれば、営業が得意で全国を飛び回り、ほとんど会社に姿を現さなかった元経営者もいる。しかし、一芸をもって経営を全うすることは難しい。それは彼らの倒産が語って余りある。
一番多い失敗例は「経理が苦手」「数字が読めない」というケースである。
これは羅針盤なき航海にも似て、非常に危険である。経理マンに任せっきりにして大穴をあけられた、などというケースは論外としても、数字が読めないばっかりに、せっかくの経営を棒に振る悲劇も少なくない。シェアが伸びたから、売上げが倍増したからといって、利益が伴っているとは限らない。もっと肝心なのは、どれだけの資本でいくらの利益を上げたかという総資本利益率である。
売上高が伸びないデフレ下にあっては、この総資本利益率が重要なモノサシとなろう。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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