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ブログ・野口 誠一
第60回:倒産防止第10条・常に新製品のアイデアを
2004年7月4日
「再起の条件15か条」の第10条は「常に新製品のアイデアを」である。
どんなに画期的な商品(サービス)でも、やがて古くなり売り上げが
落ちていく。それがライフサイクルである。したがって企業はそのサイクルに合わせ、次々に新製品を投入していかなければ存続していけない。そのためには常に新製品のアイデアをストックしておく必要がある。と、口では簡単に言えるが、これが実に難しい。
八起会の会員で、倒産から7年の雌伏を経て見事に再起し、その間にストックしたアイデアを次々に製品化して成功した経営者がいる。彼はもともと情報通信系のテクノクラートで、アイデアマンでもあった。その彼が昨年の体験発表で、「アイデアというものはお金と同じで、常に蓄えておかないとイザというときに間に合わない」として、アイデア・バンク3か条を披露してくれた。
その3か条とは「情報」「好奇心」「愛情」の3つである。彼の言う情報は経済や専門分野だけにとどまらない。「広く政治、社会、世界情報のすべてがアイデアの宝庫であり、ビジネスのシーズ(タネ)になります」と言って、一例を紹介してくれた。それはピッキングである。彼はこの犯罪情報に接するや即座に、「これはビジネスになる」と直感したという。それが画期的な防犯・防災システムの開発に結びついていった。
次に好奇心だが、彼は日々の生活の中で常に「なぜ」を発するという。たとえばお茶を飲んでも「なぜ茶碗は丸くなければいけないのか」というように、「なぜ」の訓練を怠らないという。最後に愛情だが、彼は「これが一番大切です。どんなに儲かりそうなアイデアでも、それが世のため人のため、人類のため地球のためにならないなら、製品化してはいけません」と言った。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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