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ブログ・馬場 栄
第149回:ドライバー不足の問題(1)
2019年5月14日
今回は「ドライバー不足の問題」についてお話していきます。この手のお話は人事労務の話題の中でも、すぐに話題に上る内容です。運送業は依然として人手不足が継続しており、有効求人倍率は引き続き高い倍率で推移しております。ハローワークでの募集やフリーペーパーなどに広告を出しても応募者が集まらないといった声をよく聞きます。ドライバー不足の背景としては様々な要因が考えられますが、まずは出来る範囲で現場の魅力を高める努力が必要となってくるでしょう。
ドライバー不足を解消するために、会社は採用や社員定着の対策をとりますが、やはり「給与設定」は重要な要素となります。面接などで、給与についてドライバーにしっかりと説明できる制度を設けることは、社員の納得につながり、有効な対策になります。ドライバー不足の要因として定着率が低下していることもあげられます。「採用したが、すぐ辞めてしまった」「1年勤務したが突然退職したいと言い出した」といった声が聞かれます。ドライバーの定着率を維持するためにも、給与体系を納得性の高いものにしておく必要があるでしょう。
中小運送業の場合、給与額で競争することは限界があるので「当社はこういう考え方で〇△手当を設定し…」というように、給与体系や手当の設定に明確な理念を持つことが重要です。手当が明確で分かりやすければ、社員が給与について不信感を持つことが少なくなります。
納得性の高い給与のキーワードは「公平」です。同じような走行距離数、拘束時間数のルートであっても積み下ろしの回数、手積みかパレットかなど作業量基準でドライバー負担は異なります。その場合は、作業量基準の歩合給を給与設計に組み込むといった工夫が必要になります。ドライバーの採用・定着のために「公平」な給与制度の構築を目指しましょう。
次回は、給与以外でのドライバー不足への対応方法について詳しくご案内していきます。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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