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ブログ・馬場 栄
第100回:36協定締結時のポイント
2017年3月2日
前回、36協定の概要についてご説明しましたが、36協定を今まで提出したことがなく、細かなことはよく分からないという会社もあるでしょう。そのため、今回は36協定について重要なポイントを中心にご説明していきます。
【残業する社員がいれば必ず締結する必要がある】
原則として1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えた時間外労働、休日労働を社員にさせる場合は、必ず36協定を結ぶ必要があります。正社員、非正規社員かどうかは関係ありません。もちろん、月給制、日給制、時給制の区別も関係ありません。残業する社員がいれば必ず締結する必要があります。締結しなければ、労働基準法違反を指摘されるだけでなく、そこから運輸支局の監査を受ける可能性も広がってきます。
【1年に1回よりも、空白期間をつくらないことが大切】
36協定を結んでからでないと残業をさせてはいけません。提出時期が遅れると、労基署で「届け出日以前は無効です」とスタンプが押されることもあります。以後は1年に1回結びますが、結ぶ時期は分かりやすい時期にするとよいでしょう。例えば、10月に結んだけれど、決算期の3月に結んだほうが忘れなくてよい、というなら3月に一度結び直し、以後は毎年3月に結ぶという対応も可能です。重要なのは、36協定を結んでいない空白の期間を作らないことです。
【時間外労働を行う可能性のある人数を書く】
36協定に対象者10人と届け出ていたのに、人数が増えて残業を行う対象者が11人になったら、厳密には法違反となります。人数の増加が見込まれる場合は現状よりも少し多めの人数を記載しておくのがよいでしょう。定時までと時間の決まったドライバーであっても、道路事情によっては時間外労働をしてもらうケースも考えられます。そのようなドライバーも含めて人数の記載を行いましょう。
この他に重要なのが社員代表者の選出です。今回ご案内の「36協定」をはじめ「変形労働時間制」「就業規則」など様々な届け出書類を提出する際に選出が必要となります。社員代表者の選出方法にも一定のルールがあり、間違った方法で選出すると、その社員代表者は無効とされ、そもそもの届け出書類が無効であるという事態にもなりかねないのです。次回は、この社員代表者の選出について詳しくご説明していきます。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄) -
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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