-
ブログ・船井総研ロジ
第17回:温室効果ガスの削減
2009年7月28日
地球温暖化をもたらす主要因の一つと考えられているCO2を削減するための施策が世界各国で進められています。地球温暖化は、海水面の上昇、天候不順、作物への影響などをもたらすと考えられていますが、その原因とされる温室効果ガスの削減が世界的な課題となっています。
2005年に発行された京都議定書では、1990年当時の温室効果ガスの排出量を基準として、2012年までにEUで7%、アメリカで8%、そして日本で6%の温室効果ガスの削減が数値目標とされました。
温室効果ガスの削減量は、一般的に排出量または排出権と呼ばれています。それぞれ制度等により使い分けはされていますが、一般的に同じものを指しています。排出量取引の仕組みは、たとえばA国が温室効果ガスの抑制をして目標数値をクリア、B国が目標に達しなかった場合に、B国はA国から排出権を金銭で購入できるシステムです。市場取引という経済的手法を取り入れることで、世界全体の温室効果ガスを抑制するのが狙いとなっています。
日本では、2005年から環境省主導の下、企業の自主参加による国内での排出量取引市場が実験的に行われ、国と企業が2012年までに目標数値削減のための努力をしていくことが必要不可欠となっています。
日本における部門別のCO2排出量の割合を見ると、事業用発電や石油製品製造などのエネルギー転換部門が総排出量の約3割を占めており最もCO2を排出していますが、運輸部門でも約2割を占めています。特に自動車の占める割合が多いことなどから、温室効果ガスの削減については、物流業が大きな役割を担っていると言えます。
2006年に施行された省エネ法では、物流分野にエネルギー使用量の削減が義務づけられました。これにより大手を中心に多くの企業でCO2削減の努力が進められています。京都議定書による温室効果ガスの削減により、企業間でのCO2排出削減を促進しています。CO2排出削減を通じ、前例のないビジネスが今後広がる可能性があります。
(株式会社船井総合研究所 戦略プロジェクト本部 岡崎 聡志)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年6月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
-
-
-
-
筆者紹介
船井総研ロジ
本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
ズバロジ!http://www.ecologi.net -
「ブログ・船井総研ロジ」の 月別記事一覧
-
「ブログ・船井総研ロジ」の新着記事
-
物流メルマガ