-
ブログ・船井総研ロジ
第122回:地方都市における総合一番化事例
2011年12月13日
今号では、事例から、力相応一番化戦略展開、環境ビジネス戦略展開を学びたいと思います。先日、人口10万人弱の地方都市に本社を置く、総合物流企業Y社を視察する機会がありました。年商は、40億円弱です。
Y社は、物流事業と併せて、環境事業の展開にも力を入れています。具体的には、食品残渣、廃プラスチック、発泡スチロール、紙類などのリサイクルサービスを手がけているのです。対象は、食品小売業や飲食業の荷主企業です。
元々は、地域や荷主企業からの要望によって始めた事業です。しかし、今では、そういったサービスを行なっていることが、営業面でも、かなり寄与しているそうです。
主に、商品を配送したトラックの帰りの空きスペースを利用して、リサイクル資源を集めてくるシクミが、荷主企業の効率化に貢献しています。なぜなら、既存の廃棄物収集運搬サービスを行なう企業は、ほとんどの場合、モノが溜まったら来るという方式で、毎日は来てくれないからです。また、確実にリサイクルを行なうという点も、評価されています。
既存事業と相乗効果のあるものを開発した方がよいという、新規事業戦略立案の原則を押さえた、秀逸なモデルだと思います。
また、地方都市において採るべき事業戦略としても、優れています。事業戦略立案の基本は、”力相応一番化”です。これは、3年以内に一番を狙える”商圏”、”商品(サービスメニュー)”、”客層”を設定するというものです。
そうすると、Y社のような一番企業は、サービスを総合化し、商圏内の既存客層の需要を取り切る戦略が、ひとつの正解になります。そして、そういった原則に、時流である”環境”サービスが乗れば、非常によい結果につながるということです。地方都市における戦略立案において、ぜひ参考にしていただきたく存じます。
(株式会社船井総合研究所・橋本直行)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は11年2月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
-
-
-
-
筆者紹介
船井総研ロジ
本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
ズバロジ!http://www.ecologi.net -
「ブログ・船井総研ロジ」の 月別記事一覧
-
「ブログ・船井総研ロジ」の新着記事
-
物流メルマガ