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ブログ・橋本 直行
【What for?】
2010年11月7日
提案営業が展開できるかは、営業担当者が、顧客企業に対して
「What for?」と問えるかで決まります。
顧客からの問い合わせは、多くの場合、見積り依頼です。
依頼事項を言い、かかる費用を訊くだけです。
なぜなら、多くのマーケットが成熟期を迎えており、またインターネットの
普及によって情報を入手するのに苦労しなくなった現在では、顧客は
依頼する仕事の内容をよく知っており、仕様を既に決めているからです。
その見積り依頼に対して、すぐに見積書を出して答えるのか、
それとも「What for?」と問うのかで、商談の質が、まったく
変わってきます。
例えば、倉庫会社に、顧客企業から「倉庫を100坪探しているのだが、
あなたの会社の倉庫は空いていないか?空いているなら、坪単価は
いくらか?」という問い合わせがあったとします。
このとき、ただ単に「坪当たり3500円/月です」と答えてしまうと、
商談は、顧客主導になり、他社との価格競争にさらされます。
自社主導の提案営業を展開するためには、「その100坪の倉庫は、
何のためにお探しですか?」と問わなければなりません。
「What for?(何のために?)」という、相手の目的を問う質問です。
顧客の目的は、「繁忙期に溢れる見込みの荷物を、一時的に保管して
もらうこと」かもしれません。
しかし、倉庫のプロである倉庫会社が現状を分析すれば、一時的に
外部の倉庫を100坪借りる以外のもっとよい解決策を、企画できる
可能性があります。
「What for?」と問うことが、顧客が目指すべき未来を描く提案営業
展開の第一歩です。
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筆者紹介
橋本 直行
船井総研ロジ株式会社 取締役執行役員 事業部長
1972年生。兵庫県尼崎市出身。関西学院大学法学部卒業。物流企業の業績アップ専門コンサルタント。特に、問い合わせを激増させるホームページの企画や受注率を上げる企画提案書の制作のノウハウは、社内トップクラス。 繁盛物流企業を創るための経営研究会「FUNAIロジスティクスソサエティ」主宰。 -
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