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ブログ・高橋 久美子
第311回:2016年以降の業界予測と運送会社がとるべき戦略とは(3)
2016年2月22日
トラック20台以下の運送会社がとるべき戦略を、2016年からの業界予測を交えてお話ししています。
需要と供給の原理からいうと、荷物が増えないのですから、運賃の下降に歯止めをかけるにはトラックを減らすしかありません。では、どのトラックを減らすのか? 淘汰されていくのは、ずばり、「トラック所有台数10台以下の運送会社」です。
運輸業の倒産件数は2008年以降2014年まで連続で、400件以上という高止まりを推移してきました。この中で倒産した業態を見てみると、全体の7割以上が「トラック運送(道路貨物運送)」です。そして、倒産の主因別では、「販売不振」が構成比73.3%を占めています。さらに、14年の倒産を負債規模別で見てみると、「1000万~5000万円未満」が全体の48.4%を占め、次いで、「1億〜5億円未満」が構成比29.3%となっています。これを合計すると、負債額1000万〜5億円未満の倒産が、全体の94.9%です。
つまり、簡単にまとめると「倒産している会社は小さいトラック運送業ばかりで、倒産の原因は、儲からなかったこと」ということになるわけです。そして、今後も、物量が増えるのは宅配ばかりで、企業間輸送が増える見通しはなく、小さい会社は、ますます倒産が増えることになります。
2015年だけは、倒産件数がちょっとだけ減少しているのですが、これは一時的な数字です。倒産が増えるという現況は構造的なものなので、特需などによって一時的に数字が改善されても、すぐに元に戻ります。さらに、8%分の消費税を払わされる次年度は、一気に倒産件数が増加することが容易に予想できます。
それでは、小さな運送会社が倒産を回避するためには、どうすればよいのでしょうか。未来が明るそうな宅配に参入すればよいのでしょうか。もちろん、答えはNOです。全国を網羅する宅配業が成り立つのは、経営資源が潤沢な大手だけです。経営資源の少ない小規模の会社が目指すビジネスモデルではありません。また、長い間デフレ経済に慣れた日本人は、「送料無料」が当然と思っていますから、今後も時間指定はより細かく、しかも、運賃は、より安くなっていくことが容易に予想できるわけです。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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