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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(409)成果を配分するシステムをもつ―2
2023年2月16日
改善勧告について
成果とは何か。それは仕事の達成を通して獲得する報酬と喜び、充実感である。
この工場では同じ仕事内容でありながら、報酬に大きな差がある。次に本質的にはよりもっと大事な、職場の中での一人ひとりの存在感や、仕事の喜びについての配慮が無かった。
仕事の充実感や喜びは、責任を明確にし、目標を達成するプロセスで生まれてくる。ところがこの職場ではチームワークはバラバラ、目標は無く、単に係長の指示通りすればいいといった状態であった。
これでは「働けど働けどわが暮らし楽にならざり、じっと手を見る」といった無力感が充満し、空気も暗く淀んでいるのは当たり前である。従って改善勧告は次の通りである。
⑴パートの人を正社員に登用する。
⑵一人ひとりに仕事の目標を毎日設定し、月間でよくやった人は、月間優秀賞を与える。
⑶話し合いの雰囲気を作るため、ミーティングを定例化し、月間でテーマを決めて取り組んでいく。
⑷係長は、腹が立っても怒鳴ったりしない。おばさんも若い人も公平に声を掛け、接していく。むしろおばさんを大事にする。
それができなければ配転する。従ってできないと言わず、自己変身してチャレンジしなければならない。
それぞれの見方もあるので以上の改善勧告が絶対正しいわけではない。企業によってはパートを正社員に登用するといってもコストアップでままならぬケースもあろう。
要は条件を同一にし、成果を図る物差しを設定して、成果を一人占めにするのではなく、一定のルールで配分するシステムが、経営活性化のポイントなのだ。
配分ルールは、やってもやらなくても一緒であってはならない。従って成果を図る物差しが必要となる。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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