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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(210)捨て身の話し合い〈事例A〉

    2018年8月6日

     
     
     

    〈待ったなしの現状〉

     

     A社は普通車(2㌧、4㌧)で荷主の配送業務を行っている。車両台数は30台。1年365日の配送体制である。深夜や早朝にスタートし、運行コースを決めて、1便、2便、3便といった体制である。乗務員の編成は、正社員と契約社員である。

     A社は、このまま運送業を続けていくかどうかの岐路に立たされている。

     正社員の勤務実態は、1日平均10時間で年間稼働日数は285日(年間休日80日、月間平均稼働日数23〜24日)で、年間総労働時間は2850時間である。乗務員の中には年間3000時間を超えているものもいる。月間の平均給与は25万〜30万円で、賞与は月間の平均給与の2か月であるので、年収は350万〜420万円。1時間当たりに換算すると1200〜1500円となる。

     人件費の会社負担は、法定福利費(社会保険料の会社負担分)と福利厚生費(制服代など)で、退職金の負担も入れると年収平均に対しておよそ1・3倍となる。年収レベルで計算すると、会社の負担する人件費は、(350万×1・3=)455万〜(420万円×1・3=)546万円となり、1時間当たりでは1600〜2000円となる。乗務員の50%が正社員で、それに対して契約社員とは時間制の社員である。1時間当たりの人件費は1000〜1200円で、正社員と比して、およそ50%から60%の水準である。

     A社は人件費負担を軽減するために必死になって契約社員を活用しているわけである。しかし、荷主からみれば、正社員も契約社員も同じくA社の乗務員である。

     荷主は2年連続して値引き通告してきている。1回目は6%、今回は10%で、合計16%である。その上、ペナルティとしての罰金を重くしてきている。ペナルティは商品の破損、遅配、誤配といったミスに対するものである。

     「本当に苦しくなってきています。2年連続の値引きの上に、ペナルティの重圧です。今回の10%の値引きを受け入れてしまうと赤字になります」

     A社長の苦悶である。

            (つづく)

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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