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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(234)経営革新支援法〈事例A〉
2019年2月25日
〈自助努力が中心〉
法律の力では企業の成長、発展は保証されない。法律の力は支援にある。あくまで企業の自助努力が中心にあって法律の支援が生かされてくる。
①経営者の意欲を引き出す
運送業の経営者は、ここのところ燃料価格などのコストアップのプレッシャーで、守りに専念しているものが大半である。減車し、人減らしをする。いわば必死のリストラで生き延びている。こうした経営状況にあって〝経営革新〟という言葉は、目を覚まさせる何かがある。今のままでは先行きは暗い。経営を革新することで活力を呼び覚ます。
経営革新の内容は、運送業にあっては主に新役務の開発または提供、もしくは役務の新たな提供方式の導入、その他の新たな事業活動ということになる。この法律では、その企業にとって「新たなもの」であれば、すでに他社で採用されている技術や方式であっても承認対象としている。
また、共同化(共同物流)へ向けての取り組みも承認対象となっている。さらに、事業活動全体の活性化に大きく資する在庫管理、労務、財務管理など、経営管理向上のための取り組みについても、役務の新たな提供方式などとして承認対象としている。幅広く経営革新をとらえ、いわば経営者のやる気を促しているわけである。
②変革への計画を作成する
経営革新計画は、個別の中小企業にとっては変革への決意表明とでもいうべきものである。とりわけ運送業の経営者にとっては重みがある。
「われわれに未来はあるのか」との問いに対する答えとして、ビジネスプラン=経営革新計画がある。未来に対する経営目標を明示する。目標をしっかりと掲げることで未来への道が見えてくる。
自社の経営資源の棚卸しを行うことで、強みや弱みが明確になる。自社の強み、長年培ってきたノウハウを生かして経営革新の道へと進むことができる。道筋のタイマツ、羅針盤が経営革新計画である。仮説であるが、仮説を実行するプロセスが変革活動ということである。
③変革計画のポイント=基本コンセプト
変革計画=経営革新計画は、基本コンセプトの確立を中核課題とする。基本コンセプトとは、どのような事業を行うのか︱︱ということである。言い換えれば、顧客はだれか、ということである。
顧客ターゲットの明確化である。顧客には、どのようなメリット、サービスを提供するのか。マーケットのサイズはどうか。資金はいくら必要か。これらの命題とはっきりと向き合うことが基本コンセプトの確立ということである。中小企業経営革新支援法の狙いの一つもそこにある。この狙いを、しっかりと果たすことが個々の中小企業の経営活力を呼び覚ますことになる。 以上
この記事へのコメント
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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