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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(245)人材教育

    2019年5月27日

     
     
     

     1.ドライバー人材育成計画表による人材育成事例

     

     ①コース教育—時間は正確であるかどうか。コースの特徴を熟知しているか。エコドライブ運転をしているかどうかなど、チェックしていく。

     ②顧客マナー教育—あいさつはキチンとしているか。制服は清潔であるかなど、マナーチェックリスト表に基づいて行っている。

     ③適性検査—定期的に適性検査を受けさせている。6か月に1回実施しているか、1回目から改善しているかどうかみていく。

     ④車両整備・点検教育—タイヤの空気圧のチェックやオイル交換を点検マニュアル通りに行っているかなど、確認していく。さらに洗車も決められた手順で行っているかなど。指導係は手取り足取り体に染み込ませている。

     ⑤添乗教育(第1回)—A社では1〜4と6の現場教育を行って添乗教育(第1回)のテストを行っている。その結果、7の配車担当者個人面談を行って重点指導項目を明確化している。重点指導項目表を活用している。通常は入社してから6か月以内に第1回の添乗テストを行う。第2回の添乗教育は、第1回が終了して6か月後に行うこととしている。第2回で指導係が合格と判定すれば問題ないが、不合格となると一からドライバー人材育成計画表をやり直すこととしている。時には不合格と判定して会社を去ってもらうこともある。

     ⑥机上教育—安全運転教育と積み込み・荷下ろし作業について行っている。机上教育の担当は〈宿老〉ではなく、配車担当者が行っている。1〜4の現場教育と並行して行っている。

     ⑦配車担当者個人面談—個人面談シートに基づいて行っている。重点指導項目を明確化していく。

     ⑧添乗教育(第2回)—プロドライバーとしてやっていけるかどうかのテストである。

     A社のドライバー育成は、1か年(通常)かけてプロドライバー育成にチャレンジし、実行している。配車担当者の個人面談から第2回の添乗教育までの期間は6か月(通常)である。重点指導項目表を活用している。事例を紹介する。A社ドライバーは燃費が悪い。そこで燃費改善を重点テーマとする。省エネ運転のポイントが重点指導項目である。アイドリング・ストップを指導する。運転日報からアイドリング・ストップ時間を集計してデータをとる。その上で「アイドリング・ストップ宣言」をする。運転席の見やすい所に貼り出している。様々な指導内容については指導記録をつける。「作業中にエンジンをかけっぱなしにしていないか」など、指導している。月1回は指導係が覆面パトロールを実施している。観察事象記録—覆面パトロールを実施した際の観察記録である。環境条件—天候の状態、ドライバーの体調、健康面についても記入している。適性—第2回の添乗テストに合格するレベルかどうか判定している。指導係のコメント—重点指導を行っての指導係のコメント欄である。

     運送業は労働集約産業である。「人」が中心であり核心である。運送業の経営は、人材育成が生き残り成長していく上でのキーワードである。取り組むにあたっては行き当たりばったりではよくない。人材育成計画を立てる。指導係とのマンツーマンによって現場の実態にふまえて展開する。具体的なポイントは添乗教育の実施である。第2回の添乗教育に合格させることである。ドライバーを宝にすることである。人財=宝にすることが経営者の使命である。     (つづく)

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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