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ブログ・小山 雅敬
第99回:2016年は新卒者と女性の採用にチャレンジしよう
2017年2月26日
【質問】ドライバー経験者の中途採用だけでは応募が少なく、今後は、未経験者の採用にも取り組むことを検討しています。採用対策に向けた留意点などを教えてください。
全国的に人手不足が蔓延した2015年が過ぎ、新たな年になりました。しかし、2016年も人手不足の課題が続くものと思われ、さらに深刻化することが予想されます。
2016年は「採用力」で経営に大きな差がつく年になるでしょう。人材を採用できる会社が勝ち残り、採用できない会社が淘汰される時代の本格的な幕開けです。本年こそ、従来の採用活動の殻を破り、新たな取り組みにチャレンジする年にすべきです。そのためには「雇って育てる」をキーワードに、新卒者や女性の採用に取り組むことが求められます。
高卒者の採用は7月の求人票提出に始まり、9月から採用活動が開始されます。新卒採用では地元の高校の就職担当者との情報交換や企業説明会への参加など、経営者が積極的に動く「攻めの求人活動」が必要になります。経営者は採用活動の前面に立ち、わが社をアピールできるよう会社の魅力を高める対策に取り組まなければなりません。
「新卒者を採用できる会社にしよう」と決めたら、具体的に現状の問題点を改善する取り組みからスタートしましょう。長時間労働の抑制は待ったなしの状況です。賃金や休日などの労働条件改善も正面から向き合う必要があります。そして、労働環境を改善するためには、どうしても荷主と話し合う必要があります。「今夏までには改善する」と期限を決めて取り組むことが重要です。
女性ドライバーの採用に向けた取り組みも労働環境の改善からスタートする必要があり、この点では新卒者の採用と同じです。女性用トイレや更衣室の設置など、必要な設備については採用活動の前に取り組まなければなりません。育児支援の体制についても事前に検討しておくことが大事です。
求人票や求人広告、ホームページなどの作り込みにいかに注力しても、求人媒体に嘘は一切書けませんので、実態で勝負するしかありません。そのためには、何よりも社内体制を整えることが優先になります。私は昨年も多くの会社から人材採用の相談を受けましたが、中には求人活動より実態の改善が急務と思われる会社もありました。今年は会社の優先課題として「新卒者と女性の採用」を掲げてほしいと思います。
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筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
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