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ブログ・名南コンサルティングネットワーク
第13回:トラック産業にかかる安全対策
2013年12月30日
昨年12月、「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」で、トラック産業にかかる安全対策の徹底、市場構造の健全化などに向けて、「5台未満の保有車両で事業を運営する者への運行管理者選任の義務付け」および「適正化事業実施機関の事業者への実施業務の実効性の確保」などの必要性が提言されました。その提言を受け、国土交通省では平成25年3月29日に省令の公布および通達の発出が行われました。内容は次の通りです。
1.5台未満の保有車両で事業を運営する者への運行管理者選任の義務付け
「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令」が平成25年5月1日に施行され、全ての営業所に対して運行管理者を1人以上選任することが義務付けられました。これまで、事業者の保有車両が5台未満である場合については、運行管理者の選任が義務付けられていませんでしたが、このような事業者における法令違反が多数確認されたため、このような義務が課されることとなりました。
ただし、もっぱら霊きゅう自動車の運行を管理する営業所、もっぱら一般廃棄物の収集のために使用される自動車などの運行を管理する営業所、一般的に需要の少ないと認められる島しょに存する営業所などの地方運輸局長が事業用自動車の運行の安全の確保に支障を生ずるおそれがないと認めるものについては、運行管理者の選任は義務付けられません。
2.適正化事業実施機関からの悪質性の高い営業所にかかる国への速報などの設定
自動車局安全政策課長、貨物課長、整備課長通達が発出され、平成25年10月1日に施行されます。適正化事業実施機関(都道府県トラック協会)では巡回指導において、点呼を全く実施していないと疑われる営業所などであった場合の速報をはじめ、指導時に発見された不適切な業務についての国交省への報告、連携などの仕組みが整備され実施されることとなりました。国交省は、適正化事業実施機関と連携を強化し、通報内容を監査などへ積極的に活用していくとしています。
今後も、国交省ではトラック産業にかかる適切な経済的・社会的環境を創出することなどを目的として、様々な検討がされていくと考えられます。トラック運送業者の方は、この機会に一度体制を見直してみてはいかがでしょうか。
(大野裕次郎・名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/)この記事へのコメント
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筆者紹介
名南コンサルティングネットワーク
東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。
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