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ブログ・野口 誠一
第23回:倒産の原因第10位/ワンマン・反省心の欠如
2004年3月13日
今回から、前回紹介した「倒産の原因ワースト10」の分析に入りたい。
まず第10位は経営者の「ワンマン・反省心の欠如」である。
中小企業の経営者は大方がワンマンと言ってさしつかえあるまい。大企業のような人材力、組織力に欠ける分、どうしてもワンマンにならざるを得ない面はあろう。
が、それをよいことに身勝手なワンマン、自己中心的なワンマンでは先がない。長期不況、デフレ不況のいま、求められるのは、的確な判断とリーダーシップを発揮できるワンマンである。
経営は日々が意思決定の連続であり、一瞬の遅疑も逡巡も許されない。政治のように問題を先送りしていてはたちまち倒産である。そこを避けながら即断即決していくのは並大抵のことではない。が、それを実行していくのが経営者の役割であり、経営者の喜びもまたそこにあろう。
私はよく「経営者とは人の何倍も働き、何倍も苦しみ、そしてそのことによって世のため人のために尽くす喜びを知っている人のことだ」と言っているが、そのためには日々精進、研鑽を重ねながら、自分の視野、器量を広げていくしかない。とても並みのワンマンにできる芸当ではあるまい。
並みのワンマンは唯我独尊の上にあぐらをかき、自分は何ひとつ変えようとせず、周りの人間を自分の思い通りに変えようとする。が、そんなことは長続きするはずもない。やがて有能な社員から先に一人去り二人去り、内部崩壊していく。反省心に欠けるとは恐ろしいことである。
経営者に限らず、人間は反省心を欠いたとたん成長が止まり、唯我独尊に陥っていく。
その先は言わずと知れた倒産である。反省は後悔ではない。自分の非を悟り、それを克服することだ。きょうの自分はきのうの自分ではないことを証明することだ。
経営者が変わればすべてが変わる。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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