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ブログ・野口 誠一
第36回:倒産者に共通する性格第2条・悪いことはすべて他人のせい
2004年4月23日
倒産者に共通する性格の第2条は、「悪いことはすべて他人のせい」にすることである。
人はとかく、自分の不注意を棚に上げて「躓くのは石のせい」と思いがちなものである。
が、そう思っている間はなんの進歩もないし、同じ失敗を何度でも繰り返す。
わが会員の中にはだまされたり、詐欺にあったり、うまい話にのせられたりして倒産を余儀なくされた者も少なくない。当然ながら、彼らは「アイツさえいなかったら…」と恨みをかこつ。その思いに無理はない。しかし、それでも私は「人を恨むのはおよしなさい。むしろ感謝すべきでしょう。アイツはあなたにあなたの弱点を教えてくれたんだから」と言わざるを得ない。
人を恨んだり人のせいにしている間は、再起の芽が出ないからである。
私は常々「倒産の原因はすべて経営者にある」と言ったり書いたりしている。むろんこれは本音だが、言い訳の多い経営者に対する警告の意味もある。
私どもへ相談に訪れる経営者の中にも、言い訳組は少なくない。不振の原因をすべて「不況」「デフレ」「貸し渋り」のせいにして、自分の経営手腕のなさは棚の上である。
そういう相談者に対しては、「経営に言い訳は通用しません。どんな経済環境下であろうと、それに適応していくのが経営じゃありませんか」と厳しく接しざるを得ない。言い訳の先には確実に倒産が待っているからである。
危機という文字は「危険」と「機会」から成っている。すなわち、ピンチの中にこそチャンスがある…そう言ったのはフランスのシラク大統領である。まさにその通りで、リスクは下から読めばクスリとなろう。日本経済は目下、大ピンチの中にある。とすれば、そこに大きなチャンスも潜んでいるということであろう。
しかし、言い訳経営者の目にはそうは映るまい。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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