-
ブログ・高橋 聡
第197回:令和時代の運送業経営 運送原価管理編(3)
2021年5月16日
【運送原価管理編】③
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
前回は「運送原価」管理の重要性について説明しました。今回は「運送原価」の分析手法について解説します。
1.分析手法
⑴分析手法
運送会社経営者と財務面、資金面の話をしていると、お金の流れについては実額ベースで把握されている経営者が多いのですが、運送原価分析に関しては会計事務所から帳票、指標を提供されているにも関わらず、活用できていない会社が多いのが実情です。
コロナ禍において1%単位で経費を管理する必要性が増しています。データは活用することで生きてきます。原価を分析すると会社の弱点や対策を検討すべき課題が見えてきます。分析方法としては、表1に表示されている手法があります。
まずは、会社ベースの財務諸表・運送原価明細書を活用し「経年分析」を実施します。会社の収益力が向上あるいは低下した原因が何か、重点的にどのような対策を考えていくべきかといった課題が明確化します。
⑵車両別・個人別分析
全社・事業所ベースの経年分析に加えて、「車両別・個人別」分析を行うことで問題点がさらに明確になっていきます。個人別に会社への「影響度」を確認し、収益力変化の要因を特定することは必要です。2.分析を踏まえた対策
分析した結果、特に問題となるのが、「燃料代」「高速料」「修繕費」「労務費」です。労務費は、ドライバーの生活に影響を与えるので対策は慎重に行う必要があります。しかし、労務費と燃料代、修繕費、高速料との関係で「走れば走るほど赤字になる」という状態であれば、早急に手を打つ必要があります。
歩合給の計算を(運賃収入―燃料代・高速料)×○%とし経費を抑える、社員間の「公平性」という観点で、給与体系の見直しを進めて行くことも有効です。
-
-
-
-
筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
「ブログ・高橋 聡」の 月別記事一覧
-
「ブログ・高橋 聡」の新着記事
-
物流メルマガ