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ブログ・高橋 聡
第198回:令和時代の運送業経営 時間管理編(1)
2021年5月30日
【時間管理編】①
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今回から「時間管理」について必要とされる背景や管理手法、機器選定方法などについて説明してまいります。
1.労働時間管理の必要性
中小運送業において正確な労働時間を把握できている会社は少数です。労働時間は拘束時間から休憩時間を控除して求めるため、まずは「拘束時間を正確に把握すること」次に「休憩時間を正確に把握すること」が必要となりますが、残念ながら「拘束時間」「休憩時間」共に正しく把握できいる会社は少数です。労働時間把握が出来ていない場合には、①働き方改革への対応、②給与計算、③未払請求対応などについて問題になります。
2019年4月労働安全衛生法で「働き方改革」の一環で時間把握が義務付けられました。また「未払残業請求」においては、できるだけ請求金額を高額化するために拘束時間で請求される事が多くなっています。
2.労働時間管理が疎かな理由
屋外で運転業務や荷主センター等で積荷・荷下ろしを行うドライバーの時間管理は確かに難しいと思います。会社が日報やアナログタコグラフを基に行うことは、作業人員確保・正確性の観点で限界があります。管理を嫌うドライバーの気質もあるでしょう。
しかしながら、2023年4月の月60時間超時間外労働の割増率引き上げ、2024年4月の運転職の時間外労働規制強化等への対応も必須であり、出来るだけ早期に改善の取り組む必要があります。改善基準告示により、拘束時間、連続運転時間、休息時間等に関する基準の遵守する事が義務付けられ、違反があると車輌停止処分等の行政処分の対象とされるため、一定の周知はされています。
一方、本稿で取り上げる「労働時間」ベース(給与計算対象時間)に関しては未だ取り組みが出来ていない会社が殆どです。
人手間による集計、把握は難しく、デジタコ等の機器を利用すべきです。まずは「時間管理は労務管理に関する改革の1丁目1番地」と、経営者の意識を変える事が必要です。 -
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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