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運送会社
日本WeP流通 未知への挑戦を積極支援「社員は仲間」
2018年5月9日
日本WeP流通(細村保夫社長、東京都武蔵村山市)では、13年前からドライバーの新卒採用に取り組んでいる。安田修専務は、「ドライバーは『育てるよりも即戦力』という考えが当たり前だった時代」だが、「これからはどんどんドライバーが減っていくだろうと、高卒者の定期採用を始めた」と振り返る。
同社では新卒者向けに5トン未満の小型車両を用意しているが、入社後すぐには乗車させず、まずセンター業務に従事させることで、「配送の前段階の仕事の重要性を理解させる」という。「センターで働く仲間の活躍があって、ドライバーは初めて配達ができる。その人たちの苦労を分かってもらってから、トラックの勉強に入る」
さらに、長期的なキャリアプランをきちんと明示。「どのようにステップアップしていくのか、そのためにはどんな勉強が必要なのか」を理解してもらい、成長を促す。
「1期生がいま、係長としてがんばってくれている」と目を細める同専務。「新卒採用者は自分の後に入ってきた新人を一生懸命育てようと面倒を見る」と、その礎は確たるものになりつつある。
また、同社では、「トラックだけで売り上げを伸ばすのは難しくなる」という考えから、新事業にも着手。なかでも、「生産者への活水器販売事業」で培った数百軒の農家との付き合いが、新たなビジネスへ発展している。「6年ほど前に農家を訪問した際、『いまの流通の仕組みでは、良い商品を作っても差別化が図れない』という声を聞いたのがきっかけ。当社には、スーパーマーケットとの取引もあるし、トラックもある。そこで、生産者から直接仕入れて、お客に届けていこうというアイデアが生まれた」。同社はこれを「開発物流」と名付け、本格展開。「最初は赤字で大変だった」と笑うが、3年前には東京・大田青果市場に営業所を構えるほどに。
この新事業の拡大に伴い、現社名に変更。「トラックの営業なら、前身の『日本冷凍輸送』と名乗ればすぐに分かってもらえるが、新事業では、これまでの経緯などを毎回説明する必要があった」
「WeP」は「ウィーク エナジー フォトン」の略。「『微弱なエネルギーの集まり』という意味合いで、従業員になぞらえれば、『一人ひとりの力は小さいけれど、一致団結で物事にあたれば、大きな力になる』ということ」
「未知へのチャレンジを積極的に支援する」という同社。安田専務は、「根底にあるのは、可能性が1%でもあればチャレンジしようという『ダメ元』精神。『難しい、できない』と嘆くのではなく、『どうやればできるのかを考えよう』と伝えている」と説明。「失敗には2つあり、一生懸命がんばってしまうものと、手抜きによるものとがある。後者は仲間に迷惑がかかるからダメだが、何かしら得るものがある前者については、責任は問わない」
同専務は、「社員は仲間」と強調する。「経営層、管理職、ドライバー、それぞれの役割は当然全うしなければならないが、偉い・偉くないということではない。仲間という意識を持ち、それぞれが自分の仕事に一生懸命チャレンジすることが重要」
同社では、昨年11月に秋田営業所を開設。同エリアからも新卒採用しており、東京で経験を積んだ後、Uターンで地元に戻った時の受け皿としても機能させる予定だ。
◎関連リンク→ 日本WeP流通株式会社
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