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    丸和運輸機関・和佐見勝社長インタビュー

    2007年5月18日

     
     
     

     日本フレッシュ・ロジスティクス有限責任組合(NFL・LLP)の経営責任者代表を務める丸和運輸機関(埼玉県吉川市)の和佐見勝社長は「必ず結果を出す」と主張する。有限責任事業組合(LLP)は、企業の連携・共同事業促進をめざす新たなタイプの事業組織。欧米では一般的だが、日本にはなかった。経産省の音頭で昨年8月に新法が公布され設立可能となり、同社を含む物流関連6社で今年2月に立ち上げた。物流業界では初めてという。


     「LLPは従来の協同組合と異なり、『資産を持たない』が基本。資産を持つと、どうしても組合員との関係などに影響が出る。LLPは仕事を通じて成長。業務執行者がそれぞれ代表して議論し、オーナーはきちんと検証して事業に落とし込んでいく」と和佐見氏。
     「また、協同組合の場合は『何となくぶら下がっている人』がいるケースも多い。LLPは経営責任がはっきりしており、利益もすべて貢献に応じた柔軟な配分が行えるため、最適と判断した」と付け加えた。
     NFL・LLPは鉄道を利用し、高機能クールコンテナを有効活用するため、現在「JR貨物(日本貨物鉄道)の協力も得ながら新しい荷主の開拓に走っている」。
     トラックは「便利で安い」のメリットもあるが、「CO2削減はいまや国策。企業は責任を持って取り組まなければならなくなった。コンテナは片道でなくツーウエーで混載。三温度帯可能なクールコンテナは開発できる。LLP方式だからこそ荷主もメーカーも参加する。事業を通じて必ず社会貢献できると確信している」と熱く語った。
     新事業組合の母体、日本フレッシュ・ロジスティクス協議会(NFL協議会)で3年間、準備を進めてきた。「協議会であらゆる問題を討議。だから、必ず結果を出せる」という。
     24歳でトラック1台から起業した和佐見氏は、「桃太郎便」を軸に物流事業を拡大。いまでは「ロジスティクス・アーキテクチャ・プロバイダ」として、3PL事業を中心に全国展開する。
     マツモトキヨシをはじめ、東急ハンズ、新星堂、ダスキン、イトーヨーカ堂、エコスなど小売・流通業の「雄」とパートナーシップを組み、それぞれの物流分野で不動の地位を確立した。
     中核企業の丸和運輸機関は1000人を超える従業員、500台以上のトラックを擁し、資本金4億500万円、売上高246億円(06年3月期)を誇る。グループでは従業員2500人、トラック1500台以上。連結売上高は創業40周年を迎える2010年に1000億円、70周年の40年には1兆円をめざす。07年3月期は「もちろん2ケタ成長」とのこと。
     08年の株式上場目標については、「少し遅れるかもしれない」と笑った。「ホリエモンのニュースを見て、そんなに慌てることはないと考え直した」「上場にこだわるよりも、まず人材」という。
     和佐見氏の「人材尊重」に嘘はない。同社は社内に「丸和ロジスティクス大学」を開講して人材育成に努めているほか、新入社員、管理職など各層に応じた教育・研修を充実。毎年、売上高の2%を「教育研修費」に充てる。「人があっての企業」「人の成長なくして企業の成長はあり得ない」が口癖で、創業以来のモットーにしている。
     後継者については「息子はいるが(後継者とは)考えていない。会社は公器であり、実力のある者が選ばれるべき」ときっぱり。
     最近、マスコミにほとんど登場しない同氏なので、せっかくの機会にニュースを求めたところ、「来年5月の連休明けには、埼玉県秩父市に病院の院内物流をメーンとする大規模な当社オンデマンド・センター(敷地面積3万3000平方m)がオープンする」と教えてくれた。「AZ─COMデータセキュリティ」システムにより、カルテやレセプト(医療報酬請求書)などの保管・管理を行っていくという。
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    ◎関連リンク→丸和運輸機関

     
     
     
     
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