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製品・IT
中古トラックのシグマインターナショナル「コスト意識を徹底」
2016年5月26日
中古トラックの買い取り・販売を手がけるシグマインターナショナル(横浜市中区)の春井勝匡社長は、自身の経験に基づいた明確な経営理念を持って事業を推し進めている。
同社創業のきっかけは、2008年のリーマン・ショック。同社長は当時、中古トラックの業界最大手にいたが、「需要の激減で、100万円で仕入れた車両が30万円で売られていく。営業マンは損切りばかりしていて当然ながら大赤字。営業会議では『達成率マイナス100%』という目を疑うような数字が並んでいた」。
まさに「底が見えない」状況で、その会社は、親会社に吸収される形でトラック事業からの撤退を余儀なくされたが、当時、海外事業を担当していた同社長を中心に、「顧客のためにも事業を続けたい」という有志が集まり、立ち上げたのがシグマインターナショナルだ。
前職での苦い経験を踏まえ、コスト意識を徹底。自前の整備工場は持たず、全国各地の協力会社に任せるスタイルを採用し、10社以上の整備業者とパートナーシップを結んでいる。「顧客の利便性に影響がないところにはお金は一切かけない。それが競争力に結びつく」と指摘。「整備費や人件費をかけて販管費が上がれば、販売金額は必然的に高くなり、ユーザーに納得していただける金額を提示できなくなる。経費を積み上げてから自社の利益が出るよう見積もる会社もあるが、それは自己都合としか思えない」とし、「顧客の担当者が退職されても、当たり前のように取引関係が続いていくのが法人営業の理想。目先の利益ではなく、パートナーとして長くお付き合いしていきたい」と持論を展開する。
顧客は大手運送事業者も多く、同社長は、「売却した車両が看板を消さずに第三国で走っているケースはまだまだ多く、そのリスクを感じている大手は多い。そのため、売却先についてしっかり説明する当社に声がかかる」と強みを強調する。
二部上場で乗用車の中古車売買のアップルインターナショナルの資本を受け入れていることも、「大手が安心して当社と取引いただける材料となっている」。運送事業者の取引先は現在、全国に約2000社。昨年の取引台数は1804台で、常時200台の在庫を持つ。
営業体制は「とことん少数精鋭にこだわっている」。評価制度をオープンにし、営業マンのモチベーション向上を図っている。また、同社長自ら目標を設定し、「背中を見せることを従業員の発奮材料にしている」とも。
従業員には「家族と仕事と健康の三つのバランスを考えて欲しいと伝えている」という。「酒やタバコをやっても良いが、健康を害せば家族と仕事に悪影響を及ぼす。また、夫婦仲が悪ければ、仕事と健康に影響が出る。『どれかひとつに偏るな』ということを常々言っている」。さらに、「自分の場合、ストレスフリーになれる『趣味』も加えている」とし、「家族、仕事、健康、自分(趣味)。この4つのバランスが重要」と強調する。
春井社長は、「顧客から最初に声を掛けて頂き、最後にお願いされるような関係作りをこれからも続け、物流業界に貢献していきたい」と語る。
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