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製品・IT
オリックス自動車 デジタコ活用のサービス「e―テレマPRO」
2016年7月1日
オリックス自動車の運送事業者向けテレマティクスサービス「e―テレマPRO」が好調だ。運行記録計の装着義務化拡大まで1年を切り、引き合いが増えているという。
デジタコを活用した同サービスは、車両に車載器とGPSアンテナを搭載し、通信回線を通じて車両運行データを取得するとともに、0.5秒ごとに法定3要素がSDカードに蓄積される仕組み。ユーザーごとに最高速度、急加速、急減速、バックの最高速度などをあらかじめ設定でき、その数値を超えると管理者にメールが送られる機能も搭載している。なお、車載器は国交省の型式認定済みだ。
同社リスクコンサルティング部の竹村成史部長(写真右)は、「導入効果の中でも、特に『バック時の事故削減』への評価が高い」とし、「バック時の速度が取れるのは今のところ当社のサービスだけ」と、自信を見せる。
事故の約6割をバック時の事故が占めていたという大手生協が720台の車両に導入したところ、「事故数が大幅に削減した上、バック時の事故がゼロの月もあった」という。さらに「ドライバーがソフトな運転を心がけるようになったことで燃料代が5%、年間で1000万円ものコスト削減が実現した」という。
また、清涼飲料水の納品を手掛けるベンディング会社は74台に導入。同じく事故の6割を占めていたバック時の事故が激減するとともに、「運行日報がすぐに確認できることから、効率的なルートについてドライバー同士が議論するようになった」という。
同部長は、「後退時の速度超過が構内事故に影響しているという仮説を紹介すると、皆さん初めは半信半疑で聞かれているが、実際に活用いただくと、『驚くほど事故が減った』と喜ばれる」と胸を張る。
並木太一郎アシスタントマネジャー(同左)は、「前進はメーターを見ればスピードが分かるため、法定速度を確認しながら走ることができるが、バックのスピードは確認できない。『人が歩くレベルで』と指導しても、ドライバーの主観的な感覚に頼らざるを得ない。それが事故につながっている」と説明。同サービスでは、速度超過が確認されると管理者に警告のメールが送られる仕組みのため、「何度も指摘されるうちに体で覚えていく」という。
さらに、「導入当初は、大量のメールが管理者宛てに送られてくるため、『基準を緩めた方が良いのではないか』という相談も受けるが、時速5㌔㍍以上に上げるべきではないというのが当社の見解」とした上で、「毎日、ドライバーの皆さんに継続的に言い続けるしかない。そうすることで、いつしかメールもゼロになり、比例して事故も減る」と訴える。
センサーやカメラなど、バック時の事故を防ぐための機器は存在するが、「警報音が鳴っていたのにぶつけたという話もよく聞く。要するに、本人の意識が向いていないと気づかないということ」と同部長。その上で、「ドライバーがいちばん気になるのはやはり上司や管理者の存在。『メールが送られないように』と意識することが慎重な運転につながる。技術というよりマインド的な部分」とし、「最初は管理されることへの反発もあるかもしれないが、危険挙動がなくなることで、ドライバーの意識が『見張られている』から『見守られている』へ変わっていく」と話す。
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