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物流ニュース
アプライズ 外国人労働力を採用、ベトナム人留学生を無償でトレーニング
2020年5月26日
就労を必要とするベトナムからの留学生に仕事を紹介し派遣する事業を行っているアプライズ(岩堀克英社長、東京都品川区)は、来日した留学生を無償でトレーニングし、レベルに合った仕事先に留学生を派遣、その後も職場での言葉の壁、文化の壁を乗り越えられずに挫折することがないよう、サポートも行っている。
「仕事の紹介料を留学生に求めないシステムなので、1都3県の関東圏に来日するベトナム人留学生の約7割はアプライズに登録している」と話す岩堀社長は、「面接による見極めと事前研修、職場に慣れた人材をリーダーとした5人前後のチーム制で派遣することで、先輩たちが新人をフォローし、仕事に穴が開かないようチーム内でシフト調整をさせている」と説明する。
「物流企業が外国人を採用するには、ワークビザで来日した学生を正社員採用するか、留学生の派遣会社や紹介会社を活用するのが主流で、意外と知られていないインターンシップ制度の3つがある。正社員での採用はごく僅かな人数だし、留学生は授業があるため一日通しで働くことができない。インターンシップ制は、海外の大学生を日本企業で雇用することが目的なので派遣の形では働けない。そこで物流会社から庫内作業などの仕事を当社が請け負い、当社がベトナムの大学生を受け入れて、庫内作業などを実習として勤務させるシステム」という。
「通常は、技能実習生の受け入れは、飛行機代などの初期費用や毎月の管理費、住宅費など3年間で1人当たり241万円かかってしまう。しかし、インターンシップの場合、1年で社員転換すれば1人当たり70万円しかかからない。これは、受け入れる大学生がベトナムの専門大学で勉強をしてくるので即戦力で働いてもらえるため」と話す。
また、「企業側から見ても、同一労働同一賃金の法制により、派遣での日本人雇用が通常の時給で1600円かかるところ、インターンシップのベトナム人大学生は時給1300円。学生たちにも時給1000円以上渡せる。また、日本にいる留学生たちは週28時間就労なので給与の17%かかる社会保険料が不要なため、社会保険料分の派遣請求額を下げることができる」と説明する。
一方、ドライバー職に関しては、外国人労働力も働き方改革関連法によって変化が起きていると言い、「長年日本に住む外国人は自動車運転免許を持つ人も多く、以前はドライバーとして働く人もいたが、残業時間が頭打ちとなり、〝稼げなくなった〟ため、ドライバー職を希望する外国人はほぼいなくなった」と述べる。
「今は短時間のドライバー仕事と庫内作業とか、社会保険に入らなくても良い程度の短時間仕事を2~4か所、アルバイトで掛け持ちする形が増えている」という。これは、「外国人が日本の社会保険に入り5年未満なら納付金額が戻ってくるが、それ以上の期間になると納付金は戻ってこないので払うだけ無駄と言い、ドライバーの仕事は好きでも時間通りに終わらず不確定なため、仕事の掛け持ちができなくなることからドライバーの仕事をしなくなった」とも。
アプライズでは「ホテル業界やコンビニ経営、物流なら庫内作業への人材紹介が中心」と話し、「物流業界でもすでに、大手から中堅まで導入している企業があり、良い評価をいただいている。求人募集の広告費に多額を投入しても人が集まらないと悩む企業は、ぜひ相談してほしい」と語る。
◎関連リンク→ 株式会社アプライズ
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