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    花粉症対策 点呼時に繰り返し呼び掛けを

    2011年2月28日

     
     
     

     いよいよ花粉シーズンに突入した。花粉症患者にとって毎年恒例の憂鬱なイベントだが、今年はさらに厳しい状況。昨年7、8月の気温が全国的に高く、日照時間も長かったため、今年のスギ・ヒノキの花粉飛散量は、全国的にかなり多くなると予想されている。また、花粉が少ない翌年は多くなる傾向にあるといい、昨春は全国的に少なかったことからも、今年は昨年比で2ー10倍もの飛散が見込まれている。
     大手医薬品メーカーのMSD(東京都千代田区)が花粉症患者1030人を対象に実施した実態調査の結果によると、花粉症で困るのは、「集中力が落ちる」(83.1%) 、「仕事、勉強、作業能力が落ちる」(67.2%)など、業務への支障も著しいことが判明。さらに、「イライラする/落ち着きがなくなる」(46.2%)、「憂鬱になる」(42.2%)といった、精神面への影響も約半数が挙げたという。


     運転で集中力が必要となるトラックドライバーにとって、これは深刻な問題だ。「通院するなり薬を飲むなり対策を講じれば済むだろう」と考えられがちだが、同調査では69%もの患者が「治療をしていても、症状を抑えきれていないと感じている」ことが分かっている。
     その原因について、福井大学医学部の藤枝重治教授は、「症状や重症度に合った治療が行われていないことにあるのかもしれない」と指摘。「症状によって花粉症治療薬を組み合わせる併用療法が効果的だが、特に今年のように大量飛散が予測される場合、例年1剤では満足のいく効果が得られていなければ、最初から組み合わせによる治療を行うことが大切」とし、「ぜひ医師に早めに相談し、適切な治療を受けることをお勧めする」。
     市販の医薬品を服用しているドライバーは多いが、業界でも少しずつ認知度が高まってきた「インペアード・パフォーマンス(気づきにくい能力ダウン)」も無視できない問題だ。これは、花粉症の症状改善のために服用する「抗ヒスタミン薬」が眠気を起こし、集中力や判断力、作業能率も低下させてしまうというもの。眠気がなくても本人が気付かないうちに能力が低下していることがあるため、プロドライバーには見えざる脅威といえる。
     抗ヒスタミン薬の中にも能力低下を起こしにくいものもあるため、同症状の認知度向上を目指す任意団体「インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクト」では、「自分の判断で市販薬を服用するのではなく、医療機関で医師や薬剤師に適切な薬を処方してもらう」ことを呼びかけている。
     花粉症対策ポスターを作成した大阪ヘルスケアネットワーク普及推進機構(OCHIS)の作本貞子理事は、「経営者や運行管理者は、ドライバー個人の問題と考えず、会社を挙げて対策を講じてほしい」と語る。また、薬を服用しているドライバーには、「はっきりと『トラックを運転する業務』と医師や薬剤師に伝えるように会社が指導すべき」とし、「安易な服用は事故の元であることを、点呼などで繰り返し呼び掛ける必要がある」としている。
     MSDでは花粉の飛散情報を提供するサイト「花粉なう」を開設している。自社や配送先エリアの情報を事前に収集することも安全管理の一つかもしれない。

     
     
     
     

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