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NX備通 荷主専用「箱」製作、鉄道輸送を積極推進
2025年4月3日New!!
NXグループの一角を担い、広島県東部の備後地区を中心に全国で事業展開するNX備通(鷲尾忠彦社長、広島県福山市)はこのほど、31フィートの油圧式フルウイング仕様の私有コンテナを製作。荷主企業などと協力した鉄道へのモーダルシフトと輸送効率を向上させる取り組みを本格的にスタートさせた。
同社は、2024年問題で顧客である山陽地区の製造業で輸送力が低下することを危惧し、以前から取引先に鉄道輸送への転換を提案してきた。今回、同県尾道市に工場を持ち、トラックのフレームや車軸、建設機械用キャビンなどを製造するプレス工業(清水勇生社長、川崎市川崎区)と、JR貨物(犬飼新社長、東京都渋谷区)の3社が連携。「プレス工業尾道モーダルシフト協議会」を設立し、昨年7月に総合効率化計画認定を受けた。さらに「モーダルシフト加速化緊急対策事業」の認定を中国運輸局管内で初めて取得し、私有コンテナを2台製作した。
このうち1台はプレス工業の専用コンテナだ。営業推進部の野瀬正仁次長は、「現在の大型トラックでの輸送と同じ仕様で、製品の建設機械用キャビンを9台積載できる。荷役形態も変えないようにフルウイングを採用した」。側面にはプレス工業の社名を入れ、宣伝効果も期待できるとのこと。
本格運行を前に23年末から試験を重ねてきたが、プレス工業の既存の仕事の3分の1に当たる部分を転換することに。週に2便、尾道工場から千葉県の着荷主の元に製品を運ぶ行程で、鉄道はJRの東福山駅から東京駅間を利用。リードタイムは6時間延びるが、発着荷主と協議し納品スケジュールを見直した。なお、帰りは同製品の専用パレットを運ぶ。
この輸送モードの切り替えで、ドライバーの運転時間は年間2496時間から576時間となり、省力化率77%を実現。トラック輸送量の転換率は91%、CO2排出量はトラックのみで運ぶ現在の行程から66%削減すると試算している。
同社はこの取り組みに先立ち、昨年12月に第2種利用運送事業の事業計画と集配事業計画の変更が認可され、全国のJR貨物駅の利用が可能になった。鷲尾社長は「荷主企業と共同で環境保全の観点や輸送効率の向上を目指す取り組みは初めて。他社を通さず、ワンストップでオーダーできるのは日本通運と当社のみ。NXグループとしてモーダルシフトを加速していく」と話す。
◎関連リンク→ NX備通株式会社
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