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物流ニュース
幸楽輸送 不動直樹社長 「誇り高いドライバー達」(下)
2016年4月26日
幸楽輸送(札幌市清田区)の不動直樹社長は2014年4月に就任。4月からは兼務していた親会社・北海道コカ・コーラボトリングの取締役を退任し、幸楽輸送の経営に専念する。親会社ではシステム設計など技術畑の専門家として、自動倉庫など物流にかかわるシステムの導入に携わってきた。需要予測と生産のバランスに頭を悩ますなど、「サプライチェーンの難しさに直面してきた」と振り返る。
社長就任後、荷主や協力会社の多くから「幸楽輸送のドライバーは礼儀正しく、きちんとした仕事をしている」との声が相次いで入り、ドライバーの品質に強い自信を持っている。
ある時、協力会社のドライバーから感謝の言葉が聞けた。「現場では傭車は低く見られがちで『どけろ』などという扱いを受けることもあるが、幸楽輸送のドライバーに『どれだけ積むんだ。急いでいるんでしょ。先に積んでいいよ』と配慮してもらっている」。ドライバーが自然に気遣いができることが一番嬉しかったという。また、他社から「幸楽輸送のトラックはノロノロ運転すぎる」という声も入る。「このような運転を全社的に定着させるには、ものすごく時間がかかる。既にできていることが何よりも嬉しい」と話す。
同社では常時記録型のドラレコを搭載しているが、ドライバーからは「しっかりとした仕事をしているので、しっかりと記録してくれ」という反応。ドライバー同士の会話でも「運転シートの最適な位置はもう少し前だ、後ろだ」といった細かなこだわりの会話も聞かれる。
こういったドライバーがそろうのは「特別な指導はしていないが、入社後は1〜2か月ほど先輩の横乗りを徹底しており、社風が浸透していくからではないか」と考えている。
ドライバー確保に悩む運送会社が多いなか、同社ではドライバーの労働環境にも配慮しており、「募集したら人は来るし、定着率も悪くない」状況だという。道内で拠点間輸送を行う場合、長距離運行に伴う長い拘束時間や疲労度が課題になるが、同社では「長距離でも基本的に泊まりの業務はなく、必ず日帰り出来るようにしている。札幌の車両で北見や釧路まで行っても、高速道路を使い、拘束時間など法令を守るようにしている」。ドライバーは「毎日、帰れるのが嬉しい」「家族と過ごす時間が多い」といった反応だという。
また、クラウド型のデジタコと、それに連動する労務管理システムを開発・運用することで、「改善基準の順守を強く意識し、全社的に違反してしまうことは月に1〜2件程度」。全道各地に向けて長距離運行をする運送会社としては異例の水準で、「ホワイト企業」を自認している。
不動社長は「北海道有数の物流企業として存在感を発揮したい。売上高レースにのりたいという考えはないが、従業員のモチベーションが高く、愛社精神と誇りの溢れる会社を目指したい」という将来の姿を話している。
◎関連リンク→ 幸楽輸送株式会社この記事へのコメント
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